空自の次世代戦闘機エンジンはロールス・ロイスか? 日英共同開発が現実味 メリットは

航空自衛隊の次世代戦闘機について、イギリスとの共同開発となる見方が強まってきました。その主たるパートナー企業になると見込まれるのが、ロールス・ロイスです。高級車のイメージが強い同社、実は自動車メーカーではありません。

英国と共同開発へ 空自の次世代戦闘機

 2021年7月3日(土)付の朝日新聞は、航空自衛隊が運用するF-2戦闘機の後継となる次期戦闘機のエンジンに関して、日本政府はイギリスと共同開発する方向で調整に入ったと報じました。

 日本政府は2018年12月に策定された現在の中期防衛力整備計画(中期防)で、「国際協力を視野に、わが国主導で開発」するという次期戦闘機の開発方針を定めています。2020年12月18日には、運動性能とステルス性能の両立など3項目の技術で、主契約社の三菱重工業を支援する外国企業の候補としてロッキードマーティンを選定していますが、その一方でエンジンや搭載電子機器などに関しては、開発に要するコストと単独開発に伴うリスクの低減を図るため、アメリカ、イギリス両政府と、引き続き協議を続けていく方針も明らかにしていました。

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航空自衛隊も導入を決定しているF-35B(写真はイギリス空軍機)。垂直着陸が可能なリフトファンなどをロールス・ロイスが手掛ける(画像:航空自衛隊)。

 そのイギリスは現在、次期戦闘機と同じ2030年代の就役を目指して、「FCAS」(将来航空戦闘システム)と、その中核となる新戦闘機「テンペスト」の開発を進めています。次期戦闘機と「テンペスト」には、小型で高い推力を持つエンジンが求められているといった共通項もあることから、日本政府は次期戦闘機のエンジン開発の協力について、イギリス政府との間で話し合いを続けていました。

 テンペストの開発にあたって、イギリス政府は同国に本社を置く企業や大学、研究所などからなる研究開発チーム「チーム・テンペスト」を結成しており、このチーム内においてはロールス・ロイスがエンジン開発について主導的な立場にあります。次期戦闘機のエンジンがイギリスと共同開発されることになれば、イギリスからはロールス・ロイス、日本からはIHIがそれぞれ参加して、開発が進められることになる可能性が高いと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は考えます。

【写真】ロールス・ロイスがエンジン開発を主導する英国の新戦闘機「テンペスト」

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コメント

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1件のコメント

  1. GEも船舶用ガスタービンエンジンを開発したらしいじゃないですか