特許非公開化など4本柱に=経済安保法案提出へ

 政府は17日召集の通常国会に経済安全保障推進法案を提出する。経済・技術両面での安保体制強化は岸田文雄政権の重要政策。法案は軍事転用の恐れがある特許の非公開化や、半導体など戦略物資のサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化など4分野が柱で、早期成立を目指す。

 法案は、先端技術や量産体制で影響力を増す中国を意識した内容とされ、官民技術協力と基幹インフラの強化も重点分野とする。政府は産学有識者の意見を聞き、制度の具体化を急ぐ。

 特許非公開化では核関連や通信の安全性を高める量子暗号など先端技術を主な対象とし、国が海外で軍事転用される可能性を審査。通常、出願から18カ月後に公開される特許情報を制約する場合、出願者が得るはずのライセンス料を国が補償する。供給網では、コロナ禍とデジタル化で重要性が増した半導体や医薬品、素材などを国内・友好国で調達できる体制を整備する。

 人工知能(AI)や通信の安全性を高める量子暗号技術などの開発情報を官民で分析する新たなシンクタンクを2023年度にも設立。民間からの先端技術情報の漏えいに罰則規定などを設ける案も検討している。通信、金融などの基幹インフラについて、管理業者などに安保上の問題がないか審査する仕組みも導入する。

 米国と中国の経済・技術両面の覇権争いが激しさを増しており、米国は日本などの同盟国・友好国に戦略物資の調達や先端技術の管理で協力を求めた。日本政府は法整備と同時に「他国にまねができない技術」を確保し、国際的な影響力の底上げを狙う。

 ただ、経済安保強化に伴う企業活動の制約には経済界や与党・公明党に懸念の声もある。法案を主導する小林鷹之経済安全保障担当相は「政府内で閉じていては良いものにならない。(産学の)意見をしっかりと聞いていく」との考えを示している。

【了】

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