「責任回避」で改善遅れ=信頼回復へ問われる抜本策―統計書き換え

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統計不正問題の報告書について記者会見する検証委員会の寺脇一峰委員長(中央)=14日午後、東京都千代田区

 国土交通省の統計書き換え問題に関する検証委員会の報告書は、同省職員が問題を認識しながら具体的な対応を先送りし、情報開示にも消極的な役所の実態を浮き彫りにした。原因として指摘されたのは、幹部の「責任追及を回避したい意識」。相次ぐ不祥事に「国家の基盤をなす情報」とされる政府統計への信頼が揺らぐ中、政府を挙げた抜本的な再発防止策が問われている。

 問題が発覚したのは、建設業界の受注動向を示す「建設工事受注動態統計」。国交省の指示に基づいて都道府県の担当者らが一部企業の調査票を書き換え、結果として2013年4月以降の数値が過大に計上されていた。

 報告書によると、19年4月に担当部局に着任した課長補佐がまもなく問題に気付き、都道府県向けのマニュアルから書き換えに関する記述を削除した。ただ、方法を改める指示は出されず、書き換えはこれ以後も続いた。

 課長補佐は改善を訴えたが、周囲の同僚らは業務負担の増加などを理由に真剣に取り合わなかった。結局、幹部への相談は、厚生労働省の統計不正を機に調査を進めていた会計検査院が指摘した後の19年末。その後も、水増しされた数値の検証結果を総務省や会計検査院に報告しないなど、情報開示に後ろ向きな姿勢が目立った。

 報告書は一連の対応に関し、国交省のみならず各省庁の統計部門に十分な予算や人員が与えられず、担当者にとっては前例踏襲が「安直で実践的」だった背景があると指摘する。検証委に加わった信州大学の舟岡史雄名誉教授は14日の記者会見で、各省庁は「日常業務に追われて統計を改良する余力がない」と述べ、政府横断的な取り組みが必要だと強調した。

【了】

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