JR東海、株主からリニア早期着工求める声=宇野副社長「27年開業は難しい」
JR東海は23日、名古屋市内で定時株主総会を開いた。出席した株主からは、未着工のリニア中央新幹線静岡工区について、早期の工事開始を求める声が上がった。
これに対して宇野護副社長は、工事の遅れによって、「2027年の開業は難しい状況になっている」とした上で、水資源対策案や環境保全に関する議論の進捗(しんちょく)を説明。「双方向のコミュニケーションを通じて工事に伴う不安や懸念の払拭(ふっしょく)に努める」と述べた。
株主からは、工事の遅延による財務上の懸念を指摘する声もあがり、宇野副社長は「健全経営と安定配当を堅持することを最優先に経営を行っている」と回答した。
このほか、工事を認めない静岡県に対し「東海道新幹線の静岡県停車をやめる対抗措置をとるべきだ」との意見などもあった。宇野副社長は「利用状況を踏まえると現行のダイヤが適切だと思う」と答えた。
会場を訪れた会社員の倉田一也さん(53)は、「説明不足という印象。どれくらいの時期に開業できるかという話には踏み込まれていなかった」と話した。
総会には、274人(前年188人)が出席し、所要時間は1時間31分(同1時間2分)だった。
【了】
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