ロシア新兵器!? 半世紀前の対潜用ロケットを戦車へ 初の“陸上型”をつくった思惑とは
ロシアでは1960年代の、しかも艦艇用の対潜水艦ロケットランチャーが、T-80戦車の車体に載せられたようです。改造し自走式ロケット砲として活用するようですが、どのような意図があって奇妙な策に出たのでしょうか。
海軍で使われてきたRBU-6000
特徴的な馬蹄形に並んだロケットランチャーを、T-80戦車の車体に載せた自走ロケット砲が2024年1月末、ロシアのSNSに登場しました。見慣れない外見ゆえ「新兵器登場か」と思いきや、ロケットランチャーは1960年代に製造された艦艇用の古い兵装です。陸上自走型が確認されたのは初めてなので、新兵器といえなくもありません。
このロケットランチャーはRBU-6000と呼ばれ、1960(昭和35)年に登場して以降、ソ連・ロシア海軍の小型のコルベットから大型の航空巡洋艦まで広く搭載されたロケット砲システムです。口径213mm12連装のロケットランチャーを馬蹄形に配置したもので、主に潜水艦攻撃用の爆雷を投射するのに使われました。ブリヤ射撃管制システムによって遠隔操作され、自動装填装置付きで最大96発まで連続発射も可能です。
発射する爆雷の重量は113kg、弾頭重量は23kg。最大射程は5500~6000m、対象深度は10~500mとされます。近代化型では目標に誘導される爆雷も発射でき、地上攻撃用のロケット弾も用意されています。
ソ連は第2次世界大戦時、「カチューシャ」と呼ばれる多連装ロケット砲を多用しました。ドイツ軍に攻め込まれたソ連は、急いで砲兵を増強する必要があったのです。ロケット砲は簡単な構造で安価に製造できたので、そうした緊急時の増産にはうってつけでした。
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