「鉄道ブーム」終了で鉄道コミック誌を創刊 その思惑は

鉄道専門誌がコンビニで販売される意味

「鉄道ファンはもちろん、なんとなく鉄道番組を観てしまうような人にも楽しんでもらいたいし、楽しんでもらえると思う」(関係者)

 趣味専門誌といえばウンチクやデータの羅列になりがちですし、そのようにしたらいくら鉄道が一般的な娯楽になったとはいえ、読者は限られてしまうでしょう。そのため『COMIC鉄ちゃん』は、テレビの鉄道番組のように誰でも体験できる「一般的な娯楽」として鉄道を楽しむことを目指したといいます。

 この雑誌の体裁はマンガにグラビアという、いかにも一般的なコミック誌で、専門誌らしくありません。マンガの方向性も「いい話系」から「食べ物系」「萌え系」「ドキュメンタリー系」など多岐にわたります。

 グラビアについても車両の写真やデータ、情報を「語る」のではなく、鉄道ファンとして知られタレントのようにテレビへ出演しているホリプロ南田マネージャーのコラムや、北近畿タンゴ鉄道の現役女性アテンダントが執筆した写真記事など、「楽しませる」視点を重視したそうです。

 販売場所がコンビニなどであることも、この雑誌が鉄道専門誌ながら、一般的な娯楽性を持っているがゆえなのでしょう。

 「鉄道」を「一般的な娯楽」として扱う鉄道専門雑誌『COMIC鉄ちゃん』の創刊。一部の熱心なファンから始まった鉄道趣味とその文化が、誰でも楽しめる新しいステージに移ったことの表れなのかもしれません。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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