茅ヶ崎駅はサザン 広がるご当地発車メロディとその賛否

特定の発車メロディに対するクレームも

 発車メロディは1990年代から多く聞かれるようになりましたが、当初はクレームがよく寄せられたと、そうしたメロディの制作を数多く手がけている作編曲家の塩塚博氏が著書『駅メロ! THE BEST』(扶桑社)に記しています。同書によると「必要ない」「うるさい」「カンにさわる」「せきたてられてケガをする」といったクレームがあったそうです。

 また2014年9月には東京新聞に「駅の電子音 必要なのか」という、駅の発車メロディを騒々しいとする投書が掲載されました。

 特定の駅の発車メロディに対し、クレームが出る場合もあります。たとえば東京都のJR水道橋駅。この駅は読売ジャイアンツの本拠地、東京ドームの最寄り駅で、その応援歌「闘魂こめて」が発車メロディに採用されています。

 この水道橋駅の発車メロディについても、「聞きたくないものを、なぜ毎日の通勤で聞かされないといけないのか」といった阪神ファンからのクレームが朝日新聞の投書欄に掲載されたことがあります。また「政治」「宗教」「野球」は言い争いになりやすいことから、そうした話題を出すのは「社会人の三大タブー」と言われることもあります。

 ただこうしたスポーツチームの歌はその土地を代表するものとして、以下の駅などでも採用されています。

・We Love Marines(千葉ロッテマリーンズ)
JR京葉線海浜幕張駅(千葉県)

・羽ばたけ楽天イーグルス(楽天イーグルス)
JR仙石線宮城野原駅(宮城県)

・熱き星たちよ(横浜DeNAベイスターズ)
JR根岸線関内駅(神奈川県)

・Keep On Rising(浦和レッドダイヤモンズ)
JR京浜東北線浦和駅(埼玉県)

・Vamos Ardija(大宮アルディージャ)
JR京浜東北線大宮駅(埼玉県)

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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