もし山手線に快速を運転したら むしろ不便になる可能性?

「快速」で所要時間は減少、しかし

 まず山手線で列車運転本数が最も多い混雑時(最短運転間隔およそ2分30秒)に、快速を10分に1本程度の割合で走らせてみました。時刻表上部にあるアルファベットは、それが同じ列車は車両も同じという意味です。大崎駅へ19時8分に到着した「快速C」の車両は、そのまま大崎駅19時9分発の「快速C」になります。

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山手線が約2分30秒間隔で運転されている状況で、約10分おきに快速を走らせたダイヤ。

 18時7分、「各停B」が大崎駅を発車。その3分後、18時10分に「快速C」が発車します。

 しかし、追い越しは池袋駅まで不可能です。また「快速C」は通過駅がありますが、先行する「各停B」と一定の間隔を保ったまま走る必要があります。間隔を詰めてしまうと、「快速C」と後続の「各停D」との運転間隔が空いてしまうためです。運転間隔が空くとその時間だけホームに乗客がたまり、後続列車に激しい混雑が発生。遅延や混乱を招いてしまいます。

 「快速C」は浜松町駅から、通過駅がありながら各停と同じ所要時間というノロノロ運転。田端駅からは後続列車との運転間隔を考慮する必要がなくなり、先行する「各停B」を追い越すため若干、速くなります。

 池袋駅で「各停B」を追い越した「快速C」ですが、今度は先行する「各停A」を大崎駅まで追い越せないこと、後続の「各停B」との運転間隔を考える必要があることから、やはりノロノロ運転が続きます。そして後続との運転間隔を考慮する必要がなくなる恵比寿駅を発車したところで「各停A」との間隔を詰め、大崎駅で追い越しです。

 この場合において山手線快速が1周に必要な所要時間は、大崎→大崎で58分、池袋→池袋は大崎駅での乗務員交代があるため59分になりました。以下にその内容をまとめます。

△快速は所要時間が61分から2~3分減少。ただし田端~池袋間、恵比寿~大崎間を利用しない場合はほとんど変わらない。
×各停は快速の通過待ちがあること、また運転間隔を維持するため快速に追い越されてもしばらく発車できないなど、時間調整が発生。各停は所要時間が最大で5分程度増える。
×各停だけを一定間隔で運行するよりダイヤが複雑で、混乱しやすい。
×通過駅における列車の運転間隔が、すべて各停なら3分程度のところが6分程度にまで広がってしまい、混雑を招く可能性がある。

 以上のように、列車の運転本数が多い状況で快速を運転しても、デメリットばかりが目に付くことになりました。

 また列車運転本数が多い状況、つまりラッシュ時に利用者の多い新橋駅(JR東日本7位)や有楽町駅(JR東日本14位)などを通過し、運転間隔を空けることは非現実的でしょう。この点については、快速の停車駅をどうするかにもよりますけれども。どのみち田端~池袋間、恵比寿~大崎間以外は所要時間をほとんど短縮できないので、通過駅はその区間内にある駒込、巣鴨、大塚、目黒、五反田だけにしても、快速の所要時間はほぼ変わりません。

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コメント

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13件のコメント

  1. 確かに、現状ダイヤで運行されている山手線の線路だけを利用して快速電車を運転するのは厳しいかもしれませんね。
    しかし、大崎と五反田間および目白と池袋間に埼京線の線路に渡れるポイントを設置して、大崎と池袋間は、中央線の快速のように、埼京線の線路を走る山手線の快速電車を運行するということにより、新たな可能性も出てくるように思いますが、いかがでしょうか?。
    品川から池袋まで行く場合の所要時間も、大崎での乗り換え分が短縮されて助かります!。

    • 品川-大崎間と田端-駒込間を複々線にするだけで山手線は複々線の路線を持つことができる。そうすれば、山の手線快速をつくる事ができる。

  2. そんなケチなこと云わないで、2階建てにしたら。

    • 列車を二階建てにすると乗り降りに時間がかかって停車時間が長くなりかえって運転の支障になる。二階建て電車はただでさえ普通の車両より出入り口が少ないのだから、、、

  3. 京浜東北線の快速は不要だ。

  4. 大阪環状線で、京橋駅辺りから弁天町駅辺りまで行くのと同様ですね。
    環状線は、大和路快速と関空・紀州路快速が乗り入れて快速運転をしていますが、運転間隔が短いから実現できる神業?ですね。でも、逆「の」の字運転なので、京橋駅から弁天町駅まで行くのには、環状線の各駅停車に乗るしかありません。山手線も同様ですね。むしろ、湘南新宿ラインや上野東京ライン、京浜東北線があるので、環状線と比べると状況が全く違います。もちろん、利用客数が大きく異なりますが・・・。

  5. 東急田園都市線の二子玉川〜渋谷間がラッシュ時、
    急行が各駅停車の準急に変わったのと同じ理論で、
    余裕のある大阪環状線とは違って、運行本数が多い山手線では
    優等列車を走らせると混雑度や到達時分に偏りが
    生じるのは作成されたダイヤを見ても明らか。
    埼京線、上野東京ライン、京浜東北線快速、
    副都心線等、ある程度快速的役割を
    果たしている路線がある中で
    鉄道マニアチックな空想より
    もっと有用な考える事はあるのではないかと。

  6. 快速を走らせるっていうことは、当然複々線にすることとセットなので、
    十分高速化して便利になるでしょう

    関西では複々線で快速運用してる路線が多い

  7. むしろ京浜東北の快速やめてほしいかな。
    上野東京ラインもあるし、新橋や日暮里(京浜東北快速通過駅)から神田、秋葉原(上野東京ライン通過駅)とか不便で仕方ない

  8. 快速停車駅が多すぎ、もっと減らす必要がある 快速停車駅が多ければ快速運転の意味は無い。
    東京 品川 新宿 池袋 上野 以上5駅。 

  9. 東京モノレールも朝夕のラッシュ時は「普通」のみ。
    やはり、運転間隔が問題らしいが・・・
    むやみやたらと「快速」を作ってもデメリットの方が大きい場合もあるんだな。

  10. 地下鉄でどうぞ

  11. 埼京線と上野東京ラインが事実上の「山手線快速」なんだけど、品川〜大崎間にデッドセクションがあるから使いづらいんだよね。