風に弱い京葉線・武蔵野線は過去の話? 約163億円の工事費をかけ設置が進む防風柵

京葉線と武蔵野線で45%

 JR東日本では現在、2014年度下期の使用開始を目指し以下の3ヶ所で防風柵の設置を進めています。

・常磐線 江戸川橋梁(金町~松戸)
・常磐線 利根川橋梁(天王台~取手)
・常磐線 那珂川橋梁(水戸~勝田)

 また、これまでに設置された22ヶ所は以下の通りです。約32%が京葉線で、京葉線と武蔵野線で全体の45%を占めます。

・京葉線 江戸川橋梁(葛西臨海公園~舞浜)
・京葉線 江戸川放水路橋梁(市川塩浜~二俣新町)
・京葉線 花見川橋梁(海浜幕張~検見川浜)
・京葉線 夢の島橋梁(潮見~新木場)
・京葉線 荒川放水路橋梁(新木場~葛西臨海公園)
・京葉線 海老川橋梁(二俣新町~南船橋)
・京葉線 浜田川橋梁(新習志野~海浜幕張)
・武蔵野線 江戸川橋梁(三郷~南流山)
・武蔵野線 中川橋梁(南越谷~吉川)
・武蔵野線 荒川橋梁(北朝霞~西浦和)
・総武本線 江戸川橋梁(小岩~市川)
・総武本線 荒川中川橋梁(平井~新小岩)
・内房線 佐貫町~上総湊
・東海道本線 白糸川橋梁(根府川構内)
・東北本線 利根川橋梁(栗橋~古河)
・東北本線 藤田~貝田
・常磐線 熊川橋梁(夜ノ森~大野)
・常磐線 小貝川橋梁(藤代~佐貫間)
・川越線 荒川橋梁(指扇~南古谷)
・羽越本線 第2最上川橋梁(砂越~北余目)
・羽越本線 五十川橋梁(あつみ温泉~小波渡)
・信越本線 払川橋梁(米山~笠島)

 ちなみに、1991年7月から東海道本線の白糸川橋梁で防風柵の使用が開始された際、「撮り鉄」のあいだで衝撃が走りました。

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下から見上げた東海道本線の白糸川橋梁。脇に防風柵が見える(2010年2月、恵 知仁撮影)。

 白糸川橋梁は側面に小さな柵しかなく、その鉄橋を走るブルートレインなどの列車がスッキリ写せること、また相模灘を背景に鉄橋を渡る列車を綺麗に写せることから、「名撮影地」として知られていました。しかし防風柵の設置により、列車が柵で隠れるようになったのです。

 ただ安全と安定輸送のためですから、撮り鉄は柵があっても列車が綺麗に写せる新しい構図を開発。現在も白糸川橋梁は、緑の山にと青い海に赤い鉄橋が映える「名撮影地」となっています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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