日本一エコ? 札幌の地下鉄、冬の暖房を中止 夏の冷房もなし

電気不要の冷房を採用する札幌の地下鉄

 暖房が原則として停止された札幌の地下鉄は、実は夏場の冷房も行っていません。そもそも、すべての車両がクーラーを搭載していなかったりします。

 その理由について、2012年4月の『広報さっぽろ中央区版』では「北海道の気候柄、暖房はあるが冷房はない」としています。

 特に1970年代から80年代頃、鉄道の車内冷房が普及していき、「冷房化率」の進展についてメディアで「夏の風物詩」のように報じられていました。

 しかし近年では、日本民営鉄道協会が「民鉄各社は夏場の快適な輸送サービスのため、車両冷房化を進めており、車両冷房化率はほぼ100%となりました」としているように、鉄道車両の冷房は存在して当たり前。「冷房化率」に関する報道を見かけることはほとんどなくなりましたが、札幌の地下鉄は現在も冷房化率0%なのです。

 ちなみにクーラーがない札幌の地下鉄ですが、その代わり、とあるエコな冷房装置を使っていたりします。夏になると車内へ風鈴が取り付けられ、「チリンチリン」と涼しげな音を奏でるのです。1976(昭和51)年から行われ、札幌の「夏の風物詩」になっています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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