「安全」のため関係者限定でグッズを配布 JR北海道

函館本線大沼~森の軌道強化工事を終えたJR北海道は、そこで発生した廃品を使ってグッズを製作しました。しかしそれは非売品で、「安全」のため関係社員らへ配布するといいます。どんなグッズなのでしょうか。

ストラップに込められたのは「保線屋」の誓い

 JR北海道は函館本線の大沼~森間およそ35kmで進めていた軌道強化工事が11月30日に完了したと、2014年12月10日に発表しました。この区間の線路はバラスト(砕かれた石)の上に設置した枕木で2本のレールを支える「バラスト軌道」という構造になっており、JR北海道はこの工事で、それまで木製だった枕木をコンクリート製の「PC枕木」に交換。耐久性などを向上させています。工事費用はおよそ12億円とのことです。

 またこれに伴いJR北海道は、不要になった木製枕木を使っておよそ2000個のストラップを制作しています。

 ただしこれは非売品で、JR北海道関係者のみへの配布です。普通にグッズとして販売し、収益の足しにしたら良いのではと思うかもしれませんが、このストラップには別の目的がありました。

交換された木製枕木から制作され、「安全の誓い」が込められたストラップ(画像:JR北海道)。

「安全の誓い」
「砂原線PCマクラギ化記念」
「平成26年11月 JR北海道 工務部・函館保線所」
「発生木マクラギの芯部から再生しています」

 そのストラップに刻印されている文字です。近年、安全性に関わる不祥事が続くJR北海道では「安全の取り組み」と「安全の重要性」を保線関係社員に意識づけるため、取り替えで役目を終えた木製の枕木をストラップにし、関係者へ配布することにしたのです。ちなみに「砂原線」とは、ルートが二手に分かれている函館本線の大沼~森間のうち、海沿いを行く渡島砂原駅経由の経路を表す別名です。

 JR北海道は、ストラップに刻印された「安全の誓い」という文字には「私たち保線屋はここに安全を誓う」といった函館保線所の思いが集約されており、このストラップの制作にあたって改めて全道の保線社員が「一連の不祥事を忘れずに、安全の取り組みを愚直に進めること」を誓ったとしています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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