消えていくエチケット袋 381系「くろしお」引退

日本で初めて車体を傾けた381系

 381系という電車が、なぜ日本の鉄道史において重要なのか。それは、現在では全国各地、在来線のみならず新幹線でも使用されている「車体傾斜」というシステムを、日本で初めて実用化した車両だからです。

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カーブ通過速度向上のため、屋根上からパンタグラフ以外の機器を極力排除し低重心化も図られている381系電車(2014年9月、恵 知仁撮影)。

 列車のカーブ通過速度を上げると、乗客に働く遠心力も増大して乗り心地が悪化します。そのため車両自体は安定してカーブを通過できたとしても、スピードアップはできません。

 そこで登場するのが「車体傾斜」です。カーブ通過時、まるでオートバイのように車体をカーブの内側へ傾けることで、スピードアップで増加した分の遠心力を相殺。従来と変わらない乗り心地のまま、より高い速度でカーブを通過可能にするシステムです。

 特急「くろしお」から引退する381系電車は1973(昭和48)年、この車体傾斜を日本で初めて実用化。そして車体傾斜のシステムは現在、東海道・山陽新幹線「のぞみ」などのN700系電車や東北新幹線「はやぶさ」などのE5系電車、特急「南風」などのJR四国2000系ディーゼルカー、特急「ソニック」のJR九州883系電車といった様々な列車で使用されるようになっています。

 ただ車体傾斜のシステムにはいくつかの方法があり、381系が採用するのは「自然振子式」というもの。N700系とE5系の「空気ばね式」、2000系と883系の「制御付き自然振子式」です。

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コメント

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3件のコメント

  1. 私は大阪生まれの大阪育ちで、南紀白浜や勝浦にこの くろしおに乗車し進行方向右窓側に・・・しかし海南市を過ぎたあたりから、まあ~車体の揺れること!何度も気持ち悪くなったものです。エチケット袋は、知りませんでした。酔い止めを飲んでました。

  2. 懐かしい○ロしおに○くもでしたっけ?

  3. 信州に魅せられてよくこの車両が使われていた「しなの」に乗ってました。
    一度も酔うことがなく、たくさんの思い出がある車両、関西人なので「くろしお」でも乗りましたが、これからは「やくも」のみ。
    最後に乗るチャンスがあるかどうか・・・