低調予想の国内貨物 そこでJR貨物が伸びる理由

2015年にJR貨物が伸びる理由は「日本の難題」

 日通総研は今回発表したレポートのなかで、2015年度も2014年度と同様に、JRのコンテナは引き続き増加傾向、車扱はマイナス傾向と見ていますが、JR貨物全体では0.9%と小幅とはいえ、2014年度の1.9%減から転じて増加すると予測しました。

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減少傾向が続く車扱貨物(2011年12月、恵 知仁撮影)。

 その理由として挙げられているのは、トラックドライバー不足を受けた自動車輸送からの需要のシフトです。これが続くことにより、JRのコンテナは積合わせ貨物や食料工業品などを中心に3%弱の増加が期待できるとしています。

 2014年12月、年末のトラック不足と旺盛な需要、環境保全の目的から、「イオン鉄道輸送研究会」に参加する様々な業界の企業が共同で、東京~大阪間に貨物列車を運行しました。またJR貨物は2015年3月14日、長距離トラックドライバー不足と環境保全への対応、モーダルシフトの推進を念頭に、ダイヤ改正を実施すると発表しています。

 物流業界のみならず、日本全体が抱える少子化、労働者の減少といった問題。日本における鉄道貨物の将来にも、それが大きな影響を与えそうです。

※「モーダルシフト」:貨物輸送をトラックから大量輸送機関である鉄道、海運に転換すること。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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