埼京線一部地下化の可能性も 十条駅付近の連続立体交差事業

東京都内では開かずの踏切や渋滞、街の分断などの解消を目的に各所で鉄道路線の連続立体交差化が進められており、埼京線の十条駅付近もその候補。近い将来、その付近で埼京線が地下化されるかもしれません。

十条駅付近の連続立体交差化について説明会を開催

 東京都と北区、JR東日本は埼京線(赤羽線)十条駅付近の連続立体交差化計画および駅東側の関連する道路計画について、都市計画素案などを作成。2015年2月2日と3日に、その説明会を開催すると発表しました。一般的に「埼京線」と呼ばれている路線の池袋~赤羽間を、正式には「赤羽線」といいます。

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埼京線十条駅付近の連続立体交差計画図。十条駅付近の約1.5kmが連続立体交差化される予定(画像:東京都北区)。

 北区議会では2014年6月30日、「JR埼京線十条駅付近の連続立体交差事業の早期実現に関する決議」を可決。そのなかで十条駅付近の連続立体交差化は「踏切による東西地域の分断」「交通渋滞」を解消し、地域の防災性向上や街の発展が期待されるものと位置づけられ、「地域住民はもとより北区民永年の悲願」とされています。

 この埼京線十条駅付近の連続立体交差事業については2008年、東京都が「事業候補区間」に選定。2014年度には国との比較設計協議が着手され、「事業化まであと一歩」(東京都北区議会)の状態になっています。

 説明会は2月2日(月)に北区立王子第五小学校体育館で、3日(火)に北区立荒川小学校で両日とも19時から20時30分まで開催。内容は2日間とも同じで、誰でも参加が可能です。

国鉄時代に行われていた地下化の決議

 東京都北区まちづくり部十条まちづくり担当課が2015年1月に発表した「十条駅付近沿線まちづくり基本計画」によると、十条駅付近の立体交差化によって踏切6か所の解消、渋滞の解消、安全性の向上、東西市街地の一体化を目指すとしています。

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ホームのすぐ隣に踏切がある埼京線十条駅(2008年3月、恵 知仁撮影)。

 また十条駅付近の立体交差化については1976(昭和51)年度、北区が国鉄の赤羽線輸送力増強計画へ同意するにあたって、十条駅付近の地下化を主要条件とすることを提示。そして1983(昭和58)年度、北区議会は地下化を決議しました。

 ただ2014(平成26)年度に北区議会が可決した決議では「適切な構造形式により」となっており、地下化とは限らない形になっています。

 また2008年、東京都が十条駅付近と共に連続立体交差化の「事業候補区間」として選定したのは以下の7区間です。

・JR埼京線 十条駅付近
・京王京王線 代田橋~八幡山駅付近
・京成本線 京成高砂~江戸川駅付近
・西武新宿線 中井~野方駅付近
・西武新宿線 野方~井荻駅付近
・西武新宿線 井荻~東伏見駅付近
・西武新宿線 東村山駅付近

 このうち京王線の代田橋~八幡山間を含む笹塚~仙川駅付近、西武新宿線の中井~野方駅付近、東村山駅付近ではすでに連続立体交差化事業が着手されています。

【了】

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