右側通行にする意味とは 日本最長、首都高山手トンネルの安全対策

実は右側通行の品川線

 品川線の非常口は、新宿線の最大350mより狭い最大250m間隔での設置。一部の非常口が上り線と下り線で連結されており、上り線で火災が発生しても下り線側に避難できる構造です。

 また実は、品川線は上り線と下り線が左右逆の配置になっています。通常、日本の道路は左側通行のため反対車線は必ず右側にありますが、品川線は左側なのです。

 これにはふたつのメリットがあり、そのひとつは地上からの合流利便性と安全性の確保。首都高では追い越し車線側での合流地点がいくつか存在しますが、上下線を逆にすると合流地点を走行車線側に設計できるのです。またこれによって追い越し車線側に比べ合流がよりスムーズになり、事故率の低下にもつながることは容易に予想できます。

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上下線を左右逆にしたことで合流しやすくなっている品川線(画像提供:首都高速道路)。

 左右逆にするふたつめのメリットは、先述した上下線を連絡する非常口を、走行車線側同士で結べるようになることです。

 また日本一という長さゆえ、トンネル内の環境整備、つまり換気や温度対策も重要となります。品川線では大型の換気場を4カ所設けたほか、トンネル上部のジェットファンで適時換気。またトンネル内の温度湿度が一定域を超えた場合は、ミスト噴霧を行いトンネル内の環境を最適化します。ちなみに大型の換気場は、非常口から避難した場合の地上出口も兼ねています。

 最長のトンネルだけに安全対策も万全な首都高の中央環状・品川線の開通は3月7日(土)16時です。

【了】

Writer: 杉山雄二

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コメント

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2件のコメント

  1. 右から合流をしないのは素晴らしいと思います。「首都高には追い越し車線は有りません、故に右から合流も問題有りません」みたいなのを読んだことがあるけど、走ってる人は右側は飛ばしていいと思ってるようだし、右ハンドルなんだから、合流は左からが理にかなっていると思う。

  2. 上下線とか内回り外回りって書かれると意味がわからんよ。用語はどちらかに統一してくれないかな?