神保町の書店がなぜ「鉄道ファンの聖地」になったのか ネット書店台頭前から行われていた差別化

トークショウや握手会を行う広告宣伝以外の意味

 しかしだからといって、ネット書店の台頭が無関係なわけではありません。

 書泉グランデの広瀬さんによると、かつて「本は『置けば売れる』という時代があった」そうです。しかし現在はネット書店の台頭、電子書籍の登場などにより状況は大きく変わりました。そこでいま、どの書店も重視しているのは「顧客とのつながり」ではないかと広瀬さんは言います。

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鉄道ジャーナリスト渡部史絵さんの『譲渡された鉄道車両』刊行記念トークショウ(2015年1月24日、恵 知仁撮影)。

 しばしば書店で本の著者によるイベントや、アイドルのサイン会などが行われますが、その目的には広告宣伝効果だけではなく「顧客とのつながり」もあります。店舗へ足を運んで貰うきっかけ作りに、書店はイベントを行うのです。来店者がいなければ、実店舗は商売になりません。

 ちなみに書店でのイベントというとアイドルの握手会などがよく見られますが、そこは「鉄道の聖地」。書泉グランデではそれらのほか、鉄道やバス関連のイベントも多く開催しており、2015年1月24日(土)には鉄道ジャーナリスト渡部史絵さんの『譲渡された鉄道車両』刊行記念トークショウが開催されました。また2月28日(土)には鉄道ファンとして知られるお笑い芸人、中川家礼二さんがDVD発売記念のトークイベントを行う予定です。

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