「第三次ミニ四駆ブーム」到来 夜な夜な「聖地」に集うファンたち

「ブーム」ではなく「文化」として定着したミニ四駆

 今回のミニ四駆ブームは、一般的には「第三次ブーム」と呼ばれています。

「第一次」は1980年代後半を中心とした、ミニ四駆発売からアニメ『ダッシュ!四駆郎』が流行した時代。「第二次」は、その10年ほどあとの1990年代半ば以降、アニメ『爆走兄弟レッツ&ゴー』のヒットにより、女子も含めた遊びへと拡大しました。そして現在の「第三次」は2012年頃からはじまったそうで、要因は様々あると半谷さんは振り返ります。

「2008年に完成したこのファクトリーが中核となり、新橋という土地柄もあって、かつてミニ四駆ファンだった大人たちが懐かしさとともに通いはじめるようになりました。そして密かにミニ四駆ファンだったアイドルやタレントが再びミニ四駆をPRしはじめ、これまでミニ四駆に縁のなかった若者や女性も興味を持つようになりました。いまやミニ四駆は少年のものだけでなく、大人や女性まで幅広い層が好む遊びの文化にまで発展したといえます。ですので我々は、いまは『ブーム』と言うより『文化が定着した』と考えています」

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かつてミニ四駆はオフロード形ボディが中心だったが、現在は実車デザイナーがミニ四駆用にボディを作った「実車系」が人気という(2015年2月、種藤 潤撮影)。

「第一次」や「第二次」に発売された商品は現在も一部残り、ほぼそのままの価格で販売されています。加えて新モデルの車両、カスタムパーツも加わり、同ファクトリーでミニ四駆は約800種、パーツは200種以上も販売されているそうです。しかし基本的に、楽しみ方は昔と変わらないと半谷さんはいいます。

「ミニ四駆の熱狂的なファンは今も昔も基本的には変わりませんから、パーツが変わっても楽しさは基本的に変わっていないと思います。ただ最近は、車体を美しく仕上げるのも重要な楽しみ方のひとつとなっています」

 実際、そうした「美しさ」のカスタムを楽しむ人も多く、同ファクトリーにはオリジナルに装飾された「作品」が飾られてもいます。そうした部分も、男性だけでなく女性にも受け入れられる要因のひとつなのかもしれません。

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