東海道新幹線スピードアップ 車掌が教えるそのポイント

ウサイン・ボルトは38.32秒、N700Aは5.05秒

●13時11分頃、静岡県富士市の新富士駅付近
「列車はまもなく新富士駅を最高速度で通過いたします。東海道新幹線の駅のホームの長さは約400mございます。時速270kmですとおよそ5秒33の時間がかかりましたが、時速285kmでは約5.05秒で通過いたします。ちなみに100m世界記録ウサイン・ボルトのペースですと、38.32秒かかります。いまから新富士駅を約5.05秒で通過をいたします」

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乗客には「乗車証明書」が配られた(写真提供:JR東海)。

●13時28分頃、静岡県掛川市の掛川駅付近
「列車はまもなく掛川駅を通過いたします。前を走る列車との間隔を保つために、掛川駅通過後に運転士がブレーキをかけます。掛川駅から浜松駅までの間は通常、時速270kmで走行いたしますが、本日はここから約10km以上のあいだ、時速約180kmに抑えて走行いたします」
「運転士は運転をしながら次の駅までの残り距離と時間から、いま何キロで走れば良いか、速度計算をしております。たとえば次の駅を通過するまで、残りの距離が20km、時間が5分の場合、平均時速は何キロで走ればよいでしょうか。『距離20km÷時間5分』の計算式となり、5分は『12分の1時間』ですから、20÷12分の1で時速240kmで走ればよいということです。東海道新幹線のダイヤは駅に到着するときだけではなく、通過するときも15秒単位で時刻を定めておりますので、運転士は駅と駅とのあいだで3回以上、速度計算をすることとなっています。また万が一、車両故障が発生した場合はその連絡や処置も合わせて行います。運転士は常に冷静に判断する力も必要となります」

●13時46分頃、愛知県豊川市の愛知御津駅付近
「この列車は現在、時速271kmで運転しております。この先の坂野坂トンネルを抜けますと、列車は約6分ほど最高速度で走行させていただきます。名古屋駅でお降りのお客様は、本日、最高速度を体験いただける最後の機会となります」

●13時53分頃、愛知県安城市の三河安城駅付近
「ただいま列車は三河安城駅を最高速度で、時刻通りに通過いたしました。次の名古屋駅まで、およそ9分です」

●14時2分、名古屋駅到着。

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コメント

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1件のコメント

  1. このサイトは初めてみました。少年の頃「電車の運転士」を夢見た小生には、楽しく読むことができました。
    今後とも楽しみにしています。
    質問ですが、登録すれば定期配信などもあると思うのですが、手続きを教えて下さい。