自動運転で「メルセデス」は味わえるのか 未来の高級車「F015」が意味するもの

「F015」に込められた「未来のメルセデス」

 そんな疑問に対するメルセデスの答えが、「F015」には込められています。

 たとえばホンモノの木を使った床は、フローリングのモダンなリビングのようです。そしてシートの縁にはブルーのLEDモチーフが使われ、人間が接するところは触り心地の良い革を採用。さらに左右のドアパネルにはスクリーンが配置され、外部の情報をグラフィカルに映し出したり、あるいはほかの映像を表示することが可能です。こうしたインテリアによって、シンプルでありつつクルマに乗りながらにしてオーガニックを感じさせているのです。

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ホンモノの木を床に配置し、まるでリビングのような「F015」車内(画像提供:ダイムラーAG)。

 先日、サンフランシスコで開催された「F015」国際試乗会では、次のようなデモが披露されました。車庫から無人で移動してきた「F015」がドライバーの前で止まり、自動的にドアが開きます。そしてシートが自動的に回転。座りやすい位置にセットされます。ドライバーが自動運転のスイッチを押すことでクルマは走り出しますが、周囲を監視する必要がないので、ほかの作業も可能です。前席を180度回転させ、後席の人と向い合って会話を楽しんだり、チェスをすることもできます。ドライバーはiPhoneを使って、クルマをすべてリモート・コントロールすることが可能です。

 自動運転になって、ドライバーが運転から解放されること。そうなったとき、どのように移動を楽しめるのか。究極の安全性と快適性を求めるメルセデスの提案は、これからも目が離せません。

参考サイト
http://www.startyourengines.net/
http://www.mercedes-benz.com/en/

【了】

Writer: 清水和夫

1954年生まれ東京出身。武蔵工業大学電子通信工学科卒業。国内外のラリー・レースで活躍。同時にモータージャーナリストとして安全・環境・技術を中心に取材。TVコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとしても多数出演。

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