湘南モノレールの全持ち株譲渡を発表 三菱系3社

三菱重工業は子会社である湘南モノレールについて、全株式の譲渡を発表しました。譲渡先はみちのりホールディングスです。

三菱グループによって設立された湘南モノレール

 2015年5月22日(金)、三菱重工業は同社が55.2%出資している湘南モノレールの全持ち株について、株式会社みちのりホールディングス(東京都千代田区)に譲渡することを発表しました。

 三菱重工業によると「経営資源をコア事業に集中するためにグループ会社の再編などを進めている当社と、地域交通事業の活性化に取り組むみちのりホールディングスの思いが一致」したことによるといいます。

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広島県にある三菱重工業の工場で製造された湘南モノレール5000系車両(2007年3月、恵 知仁撮影)。

 湘南モノレールは、湘南地域の住宅開発に伴ってその交通利便性向上を目的に三菱重工業と三菱電機、三菱商事などによって1966(昭和41)年に設立されました。車両にも三菱重工業で製造されたものが使用されています。運行区間は大船~湘南江の島間の6.6kmで、年間利用客は1000万人になるそうです。

 三菱重工業は、同社の鉄道・都市交通システム事業の発展に、湘南モノレールが技術実証やユーザーニーズの発掘といった面で貢献してきたとしつつ、国際競争が激化する近年、事業の「選択と集中」によって高い成長が見込めるコア事業への経営資源投入を加速。グローバル市場での競争力強化に力を注いでいるといい、今回の持ち株譲渡もその方針へ沿うものとしています。

 みちのりホールディングスは「地域経済への貢献」を掲げ、福島交通グループ、岩手県北バスグループ、関東自動車グループ、茨城交通グループ、会津バスグループに100%出資。今回、みちのりホールディングスは三菱重工業が保有する株式のほか、三菱電機と三菱商事が18.4%ずつ所有する湘南モノレールの株式についても取得し、「首都圏の交通機関を傘下に加えることで、地域交通における広域連携のさらなる拡大に伴う付加価値向上を目指す」としています。

 また三菱重工業は引き続き、車両の供給や保守などを通じ湘南モノレールに協力していくとしています。

【了】

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