低迷するタクシー業界、アプリが救う “運”だったタクシー選び

タクシー業界が常に抱えてきた問題、それも解決?

 その最大の要因は、自分の居場所を説明しなくてもタクシーを配車できる、GPS機能を活かした「タクシー配車アプリ」ならではの機能性にあります。これが従来のビジネスユースに加え、日常的にスマートフォンなどを活用する個人ユーザーの利用も促進、それが上記のような結果となったと日本交通の野村さんは分析します。

「特にこれまでタクシーをあまり利用しなかった若い世代の人のユーザーが増えました。また、ベビーカーなど荷物の多い子育て世代の女性にも、重宝されているようです」(日本交通、野村さん)

 この機能に加え、『日本交通タクシー配車』は目的地をあらかじめ登録できる機能、出発地と目的地を登録することで概算金額を出す機能、よく乗車する場所を登録できる「お気に入り登録」機能など、タクシーの利便性を高めるさまざまな機能を搭載しています。

 日本交通の野村さんはこの「タクシー配車アプリ」により、タクシー業界が常に抱えてきた課題が解決される可能性がある、と希望を込めて語ります。

「これまでタクシーを利用する際は、道でタクシーを探すか、駅などで待つことがほとんどで、その場でどの会社のタクシーが来るかは“運”でしかありませんでした。それが結果的に、会社同士の競争をする必要を無くし、タクシー業界のサービス向上につながらない一因と考えられていました。しかしアプリを用いることで、利用者がタクシーを指名することができるようになり、接客やサービスなどでタクシー会社を選ぶようになります。すると自然とタクシー会社はサービスの質向上に取り組むようになり、そしてそれは、タクシー業界全体に好影響を与えるようになるはずです」(日本交通、野村さん)

「タクシー配車アプリ」の進化でタクシーの使い方、そしてタクシー業界が大きく変わるかもしれません。ただこの『日本交通タクシー配車』を利用する際には、原則として乗車料金に加え送迎料金が加算されます。

【了】

Writer: 種藤 潤

世田谷を拠点に活動するフリーランスライター。食や酒、旅を中心に、すまい、介護、教育、ビジネス、自衛隊、プロレスなど、本人がいつも把握できないほど多分野を網羅。結果的に他にはない独特のアプローチで、紙媒体、ウェブメディア問わず取材・執筆を展開。Twitter、Facebookでは日常の自分のご飯をつぶやき中。http://tanecreation.jp

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