DJは車掌風 クラブ電車、都心を走る 典型的通勤車両が激変

何かと異例だった非日常的通勤電車

「EDMトレイン」に使用されたのは西武鉄道の6000系という、地下鉄直通用の電車です。内装は先述の通り、ロングシートにつり革が並ぶ典型的な通勤電車ですが、車内にDJブースやスピーカー、照明が設置されるなど、その姿は日常と大きく違っていました。

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窓が黒いフィルムで覆われた乗降用ドア(2015年6月5日、恵 知仁撮影)。

 乗降用ドアを含め、ほぼ全ての窓が遮蔽されていた点も独特の雰囲気を漂わせていました。車内の照明がホームに漏れ、一般のお客様の迷惑にならないようにと、西武鉄道広報部の高橋さんは言います。また「EDMトレイン」運行にあたって、事前に試運転を実施。車内の音楽がホームに漏れ迷惑にならないよう、スピーカーの音量を調節したそうです。

 またワンドリンク付きで、乗客には車内で缶ビールが配布されました。地下鉄を走る通勤電車の車内でお酒を飲む、というのも非日常的な体験だったでしょう。

 ちなみに列車では、こんなやりとりも。

DJ「ご乗車いただきましてありがとうございます。練馬発新木場行きです。終点新木場には朝5時45分の到着を予定しております」

乗客「ウソつけーーー!」

 光と音楽のほか、楽しさがあふれていた車内でした。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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