新型車両はメトロ・東武で仕様共通化を促進 変化を迎える日比谷線

強化される冷房、広がる座席、液晶モニタは3画面

 東京メトロ、東武の両車両とも、快適性向上も大きなポイントです。

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東武70000系電車の車内装備イメージ。荷棚の高さも下げられ、利用しやすくされている(画像出典:東京メトロ)。

 冷房能力について、現在の東京メトロ03系は48.8kW、東武20000系は43.6kWですが、新型車両は58.0kWに強化されます。

 座席については03系は430mm、20000系は450mmだった幅が、新型車両は460mmに拡大。クッション性も改良を加えているそうです。また座席の端、乗降ドア側にある仕切りは、立っている人の荷物が座っている人に接触しないよう、大型化されます。

 この座席のうち車端部にあるものは全て優先席になるほか、車いすやベビーカー利用者、荷物の多い旅行客などに配慮し、全車両にフリースペースが用意されます。

 車内の各ドア上部には液晶モニタが設置され、乗換案内などのほかニュースや天気予報などの情報が表示されます。同様の例は近年よく見られますが、多くは2画面以下なのに対し、この新型車両は17インチワイド液晶の車内表示器を3画面、ドア上部に設置しているのが特徴です。

 道路の下を縫うように走る地下鉄は急なカーブも多く、「キーキー」と音がすることも珍しくありません。しかし新型車両は、簡単にいえば車輪が自動的に舵を切る「操舵台車」を採用。走行時の騒音が低減され、この意味でも快適性が向上するといいます。

 また、新型車両の導入で現在と大きく変わる点として、8両編成から7両編成になることも挙げられます。輸送力が減るように思えますが、現在は1両の長さが18mで8両編成。新型車両は1両の長さが20mで7両編成なので、列車全体の長さはほぼ同じです。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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2件のコメント

  1. 日比谷線乗り入れ車が7両編成、、、。それに、新型特急車両の500型が3亮、、、。北千住で十両の組成が可能だな、、、(南栗橋や久喜あたりで再分割されそう、、、)

  2. 東武20000系も近いうちに引退が決まり、東京メトロ03系も残り僅かとなり、6月に開業する虎ノ門ヒルズ駅オープン時には03系の引退が早まりそうです。また、有楽町・副都心両線用の新型17000系が今年投入され、半蔵門線も来年から新型18000系が投入される事が決まり、これで営団時代から活躍中の旧型車両もいずれは見れなくなるでしょう。