幻の首都高「内環状線」その遺構を愛でよう 1960年代に計画も公害で頓挫

内環状線の存在を示唆する首都高の“イカの耳”

 首都高にある“イカの耳”からも、内環状線の計画をうかがうことが可能です。

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7号小松川線の両国付近にある、内環状線と接続するため三角形に張り出した“イカの耳”(写真出典:国土地理院)。

 先述した5号池袋線の飯田橋付近、1号上野線の岩本町付近、7号小松川線の両国付近には、内環状線との接続路を設けるため準備された、“イカの耳”のような長三角形の突起があります。ほとんど関心を払う人もいない地味な遺構ですが、数年前に『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)に私(清水草一)が出演し、紹介したところ、一部でマニアックな関心を呼びました。

 中央環状線が全通したいま、内環状線の必要性はもはやほとんどありませんが、まだ役所の書類上は消えていません。東京都街路計画課によると、「内環状線は昭和30年代から計画されていた道路です。いまでも計画はあります。その構想は変わっておりません。ただ優先道路としては、先に中央環状、外環自動車道となりました。というのも、まずは都心にクルマを入れないようにすることを優先したからです。内環状に関しては、今後計画として進むのかはわかりかねます」とのことでした。

 いずれにせよ、いまさら神田川の上に高架高速を通すなど不可能ですし、莫大な建設費をかけて地下を通すほどの意味もありません。内環状線については、『ブラタモリ』的に、いくつか残るその痕跡を愛でるのが最適ではないでしょうか。

【了】

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Writer: 清水草一(首都高研究家)

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

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