中国念頭、航空団51年ぶり新設 那覇の戦闘機部隊が倍増

冷戦期のピークと同等の現在

 第9航空団が那覇で新たに編成された背景には、東シナ海において特に中国が断続的な領空・領海への接近、侵入を行う、「東シナ海防空識別区」を独自に主張するなど、「公海上空の飛行の自由を妨げるような動きを含む、不測の事態を招きかねない危険な行為を引き起こしている」(2015年版『防衛白書』)状況があります。

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第9航空団のF-15戦闘機「イーグル」とT-4練習機による祝賀飛行(2016年1月31日、恵 知仁撮影)。

 この空域におけるスクランブル(緊急発進)回数も近年、増加する一方です。2014年度のスクランブル回数は、全国合計で943回。この数字自体、冷戦期のピーク時(944回、1984年度)と同等であるほか、特に沖縄・奄美エリア(南西地域)では2010年度に115回だったスクランブル回数が、2014年度は468回と約4倍になっています。また那覇基地が担当する同エリアは、空域も広大です。

「南西地域における緊急発進について、2015年度は全国の6割以上(12月まで)に達しており、まさに国防の最前線です。その防空体制強化は喫緊の課題と認識しております」(若宮健嗣防衛副大臣)

 こうした状況のなか防空体制をさらに充実させ、様々な事態への実効的な抑止、対処を行うため、那覇基地における戦闘機部隊の増強、第9航空団の新設が行われました。

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