改良進む首都高C2、でも渋滞は終わらない? その先にある新たな懸念

想像しなかった現象が起きているC2

 しかし今回の変更による渋滞量の変化は、現時点では算出が難しいといいます。

「2015年3月のC2品川線の開通によって、首都高全体の交通量が2%前後増えています。その交通量増加分が、板橋JCTの渋滞にどの程度影響を与えたのか算出するのは難しく、純粋に車線運用変更の影響を抽出することは困難です」(首都高速道路株式会社)

 通常、首都高で交通量が2%増加すると、それだけで渋滞量は2割ほど増加します。つまり、5号線上りで渋滞量が2~3割増えていたとしても、それが車線運用の変更によるものか、首都高全体の交通量の増加によるものか、判定できないということです。

 3月下旬は、1年で最も渋滞が増える時期のひとつ。そのとき、5号線上りの渋滞が美女木JCTを超えるようだと、外環道にも渋滞が伸びることになり、影響が大きくなるといえるでしょう。

 ただ板橋JCTに関しては、抜本的な対策が進んでいます。現在、板橋JCT~熊野町JCT間の拡幅工事が進捗中で、2年後の2018年3月までには、合流部が3車線から4車線に増やされる予定です。

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試験的に2車線へ変更されたC2内回りの板橋JCT(2016年2月、清水草一撮影)。

 これは、16年前に出版した拙著『首都高はなぜ渋滞するのか!?』で最も声高に主張した改良であり、それが実現するのは首都高研究家として大きな喜びです。

 ただ、16年前には想像しなかった現象も起きています。C2内回りの山手トンネルにおける自然渋滞です。

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コメント

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5件のコメント

  1. 第一に東中野駅下のLHシステムが速度抑制の元凶。これにザグというより勾配が加わり速度が落ちる。
    「イタクマ」間の改良工事と言っても板橋JCT~熊野町JCTの間は高島平よりの2車線と扇大橋よりの2車線が3車線に集約されるわけで渋滞は避けられない。
    ちなみに毎日朝の渋滞は戸田から中野長者橋まで最大で2時間かかる。
    さいたま市方面から来た車が戸田で降り、新大宮バイパスや外環道、更に大泉出口に小規模ながら新しい渋滞が起きている。
    根本的な解決は東埼玉道路の上とか埼玉から都心にもう1~2本高速道路を新規に作るしかない。

    • 都心と言っても東埼玉道路なら首都高上野線入谷まで伸ばすくらいでなければという話。千住新橋で止められたら何の意味もなくなってしまう。

    • 東中野駅下のLHシステムが速度抑制の元凶
      そのとおりです。しかし、筆者は過去に中央環状線のコラムを書いていますがこのことを絶対触れません。

    • "LHシステムが速度抑制の元凶"、
      まさにそのとおり!
      清水さんもこれには触れにくいかな。
      上り坂のサグとLHシステムの相乗効果ですね。

      LHシステムはこの場所から変更して、
      渋滞最後尾になりがちな場所に移すべきです。
      追突事故の抑止になるのも期待できます。

  2. 渋滞は新規路線建設の理由に使えるので実は歓迎したいところ。マッチポンプがバレなければいいだけの話。