首都高新料金「乗り継ぎ」便利に 渋滞回避や休憩、食事に有効 ただ懸念も

渋滞回避などに便利な「乗り継ぎ」、逆に問題を生む可能性も

 首都高で「乗り継ぎ」をする目的について、トイレや食事なども考えられますが、最も多いのは渋滞回避でしょう。「渋滞区間は一般道に降りたほうが早いかもしれないし、そのほうが料金も安くなるのなら積極的に降りよう」、そう考えるドライバーが今後、増加していくものと思われます。これによって首都高の渋滞緩和も期待できるでしょう。

 ただ留意してほしいのは、「首都高の出口はそれほど一度に降りられない」という事実です。

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首都高C2内回りの中野長者橋出口。一般道との合流部分に信号が設置されている(2016年3月、清水草一撮影)。

 首都高の出口には多くの場合、信号があります。出口そのものには無くても、出てあまり距離のないところに信号が存在。そのため降りた先の一般道が渋滞していると、1度の青信号でほんの数台しか降りらないこともあります。

 そんなところに多くのクルマが殺到したら、簡単に出口渋滞が発生し、本線上までつながってしまうでしょう。今回、首都高側が「乗り継ぎ」のメリットについて一切アナウンスしていないのは、出口渋滞の頻発を恐れてのことだと推測されます。

 新料金制度が始まってしばらくは、「乗り継ぎ」によって時間短縮が図れるケースも少なくないでしょう。しかし「乗り継ぎ」が多くのドライバーに浸透してくると、かえって遅くなるケースが増加していくはずです。フタを開けてみないとわかりませんが……。

 まあ、「混んでいたらいったん降りて、トイレに寄っても料金は高くならないかも」くらいに思っておけば間違いないでしょう。

【了】

Writer: 清水草一(首都高研究家)

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

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コメント

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3件のコメント

  1. 個人的経験上、信号待ちのある一般道よりも渋滞中の高速道路の方が評定速度は速いです。清水草一氏の著作でも、氏が実験した結果は渋滞中の高速道路の方が速いという報告があったと記憶します。

    この点に関しては、この記事で清水草一氏が例示した部分だけでも実証報告を期待します。

    • 2~3kmの渋滞の場合事故で通行が遮断されるレベルでなければ首都高から降りない方が早い。
      しかし朝の5号池袋線上りのように10km以上渋滞した場合は根本的に首都高から大きく離れたエリアで計画的に避けた方が早い事もある。
      5号池袋線の場合は板橋区の赤塚公園を通る高速下や川越街道自衛隊前はとても使えないが、
      目的地によっては外環に抜けて大泉など大きく迂回するケースもある。

      また、例として東京港トンネルが渋滞していたらゲートブリッジが有効だろう。
      かつてはリムジンバス(東京空港交通)がさまざまな迂回ルートを持ち無線で連絡を取り合いながら渋滞を避けていた事もある(今は357号の渋滞が話にならないのであまりやらないそうだが)。

      要は如何に空いている迂回路を確保できるかで下道に逃げるケースも選択肢となるという事だと思う。

  2. なんかそれらしいこと言ってるけど結局体の良い値上げだよなと思ってます。