女性を意識した珍しい観光列車「伊豆クレイル」徹底解説 料理の内容、試乗記も

「伊豆クレイル」試乗(2)「海向き席の実力、目の前にはあのホテルが」

 県境を越えた熱海駅(静岡県熱海市)付近で、林立する温泉宿に旅情がさらに高められたのち、「伊豆クレイル」は東海道本線から伊東線へ進路を変更。いよいよ「伊豆半島の旅」、本格的なスタートです。

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「伊豆クレイル」1号車の窓を向いた2人掛け席からは、正面に海を楽しめる(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 伊豆半島は地勢が険しいためトンネルが多いですが、その合間に多賀や網代の街、そして海が展開。伊東駅へ近づいたところで海側の目の前に現れるテレビCMで有名なホテルもまた、「旅」を盛り上げる装置になります。しかしそんなとき、こんな車内放送が入りました。

「まもなく終点の伊東に到着します」

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伊東駅に到着し、特急「スーパービュー踊り子」と並ぶ「伊豆クレイル」(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 報道陣向けの「伊豆クレイル」試乗会は、14時18分着の伊東駅まで。この先、本来ならば終着駅である伊豆急下田駅まで引き続き相模灘などを楽しめ、温泉の湯気が立ち上る熱川の街や伊豆大島なども眺められるのですが、ここで下車です。後ろ髪を引かれつつ。

「地元食材を使ったオリジナル料理やお土産の提供、イベントの実施など、『伊豆のショーケース』のような列車にしていきたいと考えています」(JR東日本横浜支社、渡利千春支社長)

 JR東日本によると「伊豆クレイル」は好評で、予約受付中の下り列車はすでに満席とのことですが、上り列車にはまだ空きがあるそうです(2016年7月16日現在)。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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3件のコメント

  1. 料理にしてもそうですが、車内の内装デザインは本当に女性が喜ぶ?ご中年からご年配にはいいかもしれませんね。リゾートらしい雰囲気を作って楽しませてあげるといいのですが。お金をかけない内外装そのままですね。

  2. 583系は583系そのものであることに価値があり、動態保存的に延命を繰り返すほうがよいとは想像するが、寝台可変座席を設置した583系のレプリカ編成(あくまでもジョイフル仕様)はどうなのだろう?

  3. 妻と上り列車の1号車山側に乗りました。
    車内はやはり華やいでましたし、内装も座席の豪華さもあり好評でした。
    車内販売の小田原冷凍みかんサワーが好評で1号車の半数近い方が買われてました。
    保険の意味なのか4号車に一般席がありましたが、予約の取れなさを考えるとレストラン仕様にして欲しいかな。それとも来年出てくるresort21のクルーズトレイン横浜発に食われる事を意識して一般席があるのか…
    ともあれコンセプト通りあちらこちらおしゃべりが盛り上がってました。