銀座線、降りれば目の前丸ノ内 赤坂見附駅、乗り換え便利な歴史的理由

東京メトロの赤坂見附駅では、銀座線と丸ノ内線が同じホームに発着。乗り換えが便利です。なぜこのような構造になったのでしょうか。その理由は、戦前のある計画にまでさかのぼります。

分岐駅として考えられていた赤坂見附駅

 東京メトロの赤坂見附駅(東京都港区)では、銀座線と丸ノ内線が同じホームに到着するため、スムーズに両線を乗り換えることができます。銀座線の新橋方面行きと丸ノ内線の東京方面行きが同じ下の階、銀座線の渋谷方面行きと丸ノ内線の新宿方面行きが同じ上の階に発着する構造によるものですが、なぜ赤坂見附駅はそのような造りにされたのでしょうか。

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銀座線と丸ノ内線を同一ホームで乗り換えられる赤坂見附駅(2016年9月、青山陽市郎撮影)。

 赤坂見附駅の基本的な構造は、1938(昭和13)年の開業時から変わっていません。

 銀座線の赤坂見附駅をふくむ区間は、のちに帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)へ統合される鉄道会社のひとつ、東京高速鉄道が建設したものです。

 同社はかつて、新宿から四谷見附、半蔵門、桜田門を経て築地に向かう新宿線を計画していました。そして、この新宿線とすでに着工していた渋谷線(現・銀座線の渋谷~新橋間)を結ぶ連絡線として、四谷見附~赤坂見附間の建設も計画。新宿線とその連絡線が開業した際は、新宿方面からの列車を渋谷線の新橋まで直通させることを考えていました。つまり、赤坂見附駅は渋谷方面と新宿方面の分岐駅になることが想定されていたため、現在のような構造で造られていたのです。

 新宿と築地を結ぶ新宿線は、四谷見附~赤坂見附間が1945(昭和20)年度、新宿~四谷見附間が1946(昭和21)年度に開業予定でしたが、戦争による資材不足などの影響によって工事は中断。新宿線の計画は丸ノ内線に引き継がれ、その赤坂見附駅を含む区間は1959(昭和34)年に開通しています。

【了】

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