日本空襲部隊を次期爆撃機に命名したアメリカ そこにある意味は?

アメリカ空軍の次期爆撃機B-21が、「レイダー」と命名されました。太平洋戦争時、日本本土を初めて空襲した部隊にちなむものです。現在の同盟国を攻撃した部隊の名前が、なぜ採用されたのでしょうか。またそこにはどんな意図、意味があるのでしょうか。

日本本土を初めて空襲した部隊の名前

 アメリカ空軍は2016年9月19日(月)、ノースロップ・グラマン社において開発中の次世代重爆撃機B-21に「レイダー」と命名したことを発表しました。

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ノースロップ・グラマンB-21「レイダー」。高いステルス性を持ち、情報収集能力にも優れた次世代爆撃機(画像出展:アメリカ空軍)。

 B-21「レイダー」は高いステルス性と情報収集能力、ネットワーク能力を持つ次世代の長距離攻撃情報戦プラットフォームであり、既存の爆撃機B-2A「スピリット」、B-1B「ランサー」、B-52H「ストラトフォートレス」とは一線を画す存在です。B-21が2020年代半ばの実用化を目指す一方、前述のB-52H、B-1B、B-2Aは2040年頃に退役が始まる見込みであるため、アメリカ軍では当面、4機種の爆撃機が運用されることになります。

「レイダー」とは、「侵入者」「急襲者」を意味する言葉です。これは太平洋戦争において日本本土を初空襲したドゥーリットル攻撃隊「ドゥーリットル・レイダーズ」にちなんでおり、B-21の命名式典には「ドゥーリットル・レイダーズ」最後の存命者である101歳のリチャード・E・コール元中佐も招待されました。

 これらをふまえると、B-21「レイダー」は、日本にとって因縁浅からぬ名前であるといえるでしょう。しかし結論からいえば、アメリカ空軍には、日本に対してのなんらかの意図や悪意があるとは考えることができません。

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コメント

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11件のコメント

  1. アメリカ軍は真珠湾攻撃で大打撃なんか受けてない。ホワイトハウスの予定通りだった。

  2. 真珠湾の報復した機体の名前から来てる?報復の為の爆撃機?

    • えーっと、真珠湾の報復をした機体ではなく部隊の名前、らしいです。ちなみに真珠湾の報復をした機体の名前はミッチェルです(人名由来。世界一量産されたプロペラ双発戦術爆撃機。イギリスやソ連にも供与されてた)。それはそうとしてB-21ですか。ろくでもない結末になりそうな気が。

  3. この名前をつけたということは、アメリカはまだ真珠湾の件を恨んでいるのでは?
    そして日本がかがと言う名の軍艦を作ったのも大日本帝国の未練とか?

    • 別に怨念・未練なんかじゃなく、昔の名前をそのまま使うのはよくある話ですよ。
      海上自衛隊の艦船だってそうだし、米海軍のエンタープライズだって何代目なんだ…という位同じ名前の船がありますから。

      まあ、流石に空母「アドルフ・ヒトラー」とか名前を着けたら大問題になるでしょうけど、この位のことに目くじらをたてたり、変に意識する必要はないでしょう。

  4. 日本もやってやれば良いんだよ。
    五十六とか東郷とか欧米向けに使ってやれば良い。

    • 『戦闘妖精雪風』に「アドミラル56」という日本海軍の空母がでてくるが、それよりも日本人のメンタリティ(言霊信仰)からして人名を用いるのはどうなのだろう?
      まあ、JR九州は使ってはいるけどね。

  5. 元ドゥーリットル所属者を呼んだからなのが、
    >「レイダー」とは、「侵入者」「急襲者」を意味する言葉です。
    これ以上の意味はなかったりしてねぇ。

    • そんな意味なんてないって。単に勇ましい名前だからでしょう。

  6. 日本人はこういう悪意に鈍感と言われてるよね。

  7. 日本が、アメリカの言う事を聞かなくなったらいつでも爆撃してやるぞ!という意図もあるのではないでしょうか?