悲劇、愛車のライトに黄ばみが… 予防、対策はできるのか

ヘッドライトが黄ばむようになった、その理由

 昔のクルマでは発生することのない、ヘッドライトが劣化して黄ばむという現象。その原因は、ヘッドライトのレンズ部分の素材が強化ガラスから「ポリカーボネート」へと移行したためです。ポリカーボネートは透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性などに優れたプラスチック樹脂素材で、ヘッドライトだけでなくあらゆる家電製品やCD、DVD、ブルーレイなどの光学ディスクメディア、眼鏡や双眼鏡といったレンズ類、旅客機の窓など、さまざまなものの素材として使用されています。

 ポリカーボネートの利点は、軽量かつさまざまな形への加工が容易という点。さらに戦闘機のキャノピーや、軍や警察のプロテクター系装備にも利用されるほど強度が高いことです。

 たとえば強化ガラスが普通のガラスに比べ3倍から5倍の強度であるのに対し(日本板硝子による)、ポリカーボネートの強度は250倍を超えています(三菱ガス化学による)。クルマの軽量化にも効果が高く、さまざまな形に加工できるので、クルマのフロントデザインの幅も大きく広がります。万が一、事故を起こした場合も、破片が飛び散ったりしないので二次被害を抑えることにもつながります。そのような利点から、クルマのヘッドライトレンズは強化ガラスからポリカーボネートへと移行し、現在に至るのです。

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コメント

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4件のコメント

  1. それはヘッドライトの「カバー」ではないのか? カバー部分だけを随時取り替えてヘッドライト本体・光源部分を長く使うようにできないものか? よく知らないけど。

    • 昔はレンズでしたが、今はただの透明カバーです。安全や防水の為に簡単には外せない様です。外せれば内側も磨きたいのですが。

  2. 原因が紫外線だとわかっているなら坑紫外線コーティングをすればよいだけと考えるが?
    もっともコーティングが物理的に剥離する時間が坑紫外線効果より早ければ意味はないのだが。

    • 本文中に "黄ばみはそのコーティングがはがれたために発生している場合が多いからです。"
      クルマの最前面なので環境は過酷でしょう。