航空火器は「弱い」が流行り? 「戦いは数」を地で行く最新爆弾・ミサイル事情

「周囲を巻き込まない」ことも大きなメリット

 現在、最も搭載量の大きい戦闘機は、F-15E「ストライクイーグル」です。1991(平成3)年にぼっ発した「湾岸戦争」におけるデビュー戦では、500ポンドレーザー誘導爆弾8発を搭載した2機編隊が、合計16発で車両16両を破壊するという、撃破率100%の戦果を挙げています。

 もしこれをそのまま2016年現在に置き換えるならば、F-15Eは「SDB(小直径爆弾)」を28発搭載できるため、2機編隊で理論上、56目標を破壊可能です。

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胴体右側面にSDBを搭載したF-15E。同機はSDB4発をまとめた爆弾架を最大7個、すなわち最大28発のSDBを搭載可能(写真出典:レイセオン)。

 もちろんこうした「弱い兵器」は、威力に劣るという弱点もあります。特に「ダガー」のように極端な小型ミサイルは、破壊可能な目標に限りがあります。そのため従来の「強い兵器」を完全に置き換えることは考えられません。しかし、一度の作戦で多くの目標を攻撃できることは大きなメリットになるため、ミサイル・爆弾の小型化は今後、一層進んでゆくことになるでしょう。

 またこれらの「弱い兵器」は、ただ多数を携行できるだけではなく、標的だけを正確に破壊し、ほとんど周りに被害を及ぼさないという利点もあります。友軍地上部隊の目の前に存在する敵のみを正確に撃破したり、市街地において誤爆を抑制するような使用法も可能です。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. いくら命中精度が上がっても一般市民を誤爆したら意味がありません。