半年沈黙の国産ステルス実証機X-2「心神」一般初公開 まもなく飛行再開か

「飛べない」のではなく「飛ばなかった」、そのワケ

 なぜ、X-2の飛行試験を実施しないのでしょうか。三菱重工にてX-2開発を担当した「チームATLAS(先進技術実証機航空システム)」の技術者に筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)が直接、聞いてみたところ、「トラブルではなく、もともと予定されていた地上試験を岐阜基地内部で行っているため」とのことでした。

 また、「今後、X-2の飛行試験に必要となる、空中でデータを収集するための機器の搭載、およびこれらの計測機器が正常に動作することを試験、確認していたのであって、これによってスケジュール上の遅延は生じていない」といい、それらの試験は10月中には完了、飛行試験は、防衛装備庁/防衛省ら「官」側次第としながらも、早ければ11月初頭には再開する見込みであることを明らかにしました。

 この先、2030年代に実用化を見込む、航空自衛隊F-2戦闘機の後継機に必要とされる各種技術が、X-2によって試験される予定です。具体的には、高いステルス性と機動性を両立させるための「機体設計」や「飛行制御システム」、推力変更装置を備えたIHI製「国産アフターバーナー付きターボファンエンジン」、新しい非金属製の「炭素繊維複合材」、そして全球を監視可能にするレーダーを機体各部へ埋め込む「スマートスキン」のための構造(スマートスキン自体は搭載せず)などです。

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1件のコメント

  1. it's a pity