空自機フレアに「脅し」は無理? 中国「妨害弾」主張が苦しいワケ

空自機と中国機のあいだで何が起きていたのか

 防衛省は「近距離で妨害を行った」ことと、「妨害弾(フレア)によって安全を脅かした」ことは否定しましたが、「フレアの投下自体」は否定していません。よって、実際のところどのような状況であったのかは不明ですが、少なくとも中国国防部が主張する「フレアの射出によって安全が脅かされた」という点は、フレアの特性上、発生しようがないことは明白であると断定でき、中国国防部の発表は矛盾しています。

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アメリカ空軍F-15Eストライクイーグルによるフレアの射出。赤外線誘導ミサイルの妨害に用い、F-15には最大120発搭載できる(写真出典:アメリカ空軍)。

 もし仮に、本当に航空自衛隊のF-15戦闘機からフレアが射出されていたとしたならば、それはF-15のパイロットが何らかの脅威を認識したからであると推測されます。今回の中国空軍機の編隊には戦闘機が2機(防衛省はSu-30戦闘機と発表)、確認されています。おそらくこの中国軍の戦闘機が、F-15に対してレーダー追尾(ロックオン)を仕掛けたのではないでしょうか。

 F-15には国産の自己防御システムが搭載されており、レーダー電波を逆探知することでパイロットはロックオン、すなわち攻撃される寸前の状態であることを認知できます。

 もし「レーダー誘導ミサイル」が発射された場合、F-15はやはりレーダー電波を逆探知し、パイロットはミサイル接近中であることを認知できます。

 ただし「赤外線誘導ミサイル」は電波を出さないので、ミサイル接近警報装置を搭載していないF-15には、同ミサイルで攻撃されているかどうかを知ることはできません。

 そのためF-15のパイロットは、「赤外線誘導ミサイルによる攻撃があったかもしれない」という最悪を想定し、予防的措置として早めにフレアを投下したのかもしれません。

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コメント

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3件のコメント

  1. 奴らの偽情報にひるんではならない。

  2. いわゆる平和主義者もアンチ平和主義者も軍事的にできることとできないことをキチンと知っておいて損はない。普通、チーム(国防軍)ができることとできないことをジェネラルマネージャー(国家)はオーナーとサポーター(国民)に対し明らかにするものだが、我が国は怠りがちなので国民は迷惑する。

  3. まさかよもや自衛隊機のフレアに眼が眩んで墜落寸前の操縦ミスをした、なんて事はありえないですよね。