信頼されて半世紀 空自現役パイロットに聞く輸送ヘリ「チヌーク」の実像

ほかの地域と異なる、那覇での難しさとは?

 実は、今井3佐は旧型のCH-47Jを操縦することができませんでした。彼は航空自衛隊が旧型機保有時に、「LR」と呼ばれ弁別されていた性能向上型現有機のパイロットなのです。「LR」とは「ロングレンジ」、すなわち長距離型を意味します。

「当時、空自にはCH-47Jに2タイプがあったのですが、私はLR型(現有機)が導入された教育課程の第1期なのです。そのため、当時、「在来型」と呼ばれていた旧型に乗るには改めて教育を受ける必要がありました。旧型機の資格を有するパイロットは、逆にLR型での教育および慣熟飛行が必要になっていまいた。LR型は旧型の『チヌーク』よりも胴体左右の『バルジ(張り出し部)』と呼ばれる燃料タンク収納部が拡張されており、左右両方でドラム缶およそ40本分に相当する8000リットルの燃料を搭載できます。最大に燃料を入れますと、東京からなら北海道、または鹿児島あたりまで無給油で飛んで行けます。最高速度は秘密なのですが(笑)、巡航速度はだいたい250km/hといったところです」(那覇ヘリコプター空輸隊 今井3佐(当時))

 離島間の輸送で洋上を飛行することが多い那覇ヘリコプター空輸隊にとって、航続距離は非常に重要です。そして、那覇では洋上飛行が主であるがゆえに、ほかの地域と違った難しさがあると今井3佐はいいます。

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