「日本一の秘境駅」を「ふるさと納税」で維持 裏にある豊浦町の「ねらい」と「悩み」

「日本一の秘境駅」小幌。地元・豊浦町が維持費用を負担し廃止を逃れ、「ふるさと納税」制度で同駅を支援する仕組みも整えられましたが、単に「日本一」を観光地にするのが目的ではありませんでした。ある矛盾による「悩み」も見えてきます。

謝礼品は「日本一の秘境駅小幌写真立て」

 北海道豊浦町は、同町内にある秘境駅「小幌」の存続のため、「ふるさと納税」制度による寄付金を募集しています。

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「日本一の秘境駅」として知られる小幌駅。周囲に人家は無く、鉄道以外のアクセス手段も事実上、無い(写真出典:豊浦町)。

「ふるさと納税」は納税者が用途を指定できる場合があります。豊浦町では4つの選択肢があり、1番目が「日本一の秘境駅『小幌駅』の存続応援基金」です。ちなみに2番目が「第一次産業の振興、生活環境の整備、健康及び生きがいづくり福祉の推進に関する事業」、3番目が「教育、文化及びスポーツの振興に関する事業」、4番目は「使途は町にお任せします」となっています。

 納税額は納税者の任意です。納税額に応じて謝礼品がもらえます。豊浦町の場合はポイント制で、1000円の納税で5ポイントを獲得。ポイント数に応じてカタログから謝礼品を選択できます。たとえば、2016年10月にカタログへ追加された「日本一の秘境駅小幌写真立て」は50ポイントですから、1万円の「ふるさと納税」で交換できます。謝礼品はほかに、豊浦町の名産品「いちごシャーベット」「活ほたて」「豚肉」「牛肉」などがあります。

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「ふるさと納税」の謝礼品「日本一の秘境駅小幌写真立て」。50ポイントでひとつもらえる(写真出典:豊浦町)。

「日本一の秘境駅小幌写真立て」はフレームに「日本一の秘境駅小幌」「北海道豊浦町」の文字が入り、「製造番号」と「寄付者(納税者)の氏名」も印字されます。写真部分には小幌駅の風景絵が入っていますが、小幌駅を訪問して撮影した写真をそこに入れるのも、達成感がありそうです。

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