海自の「目」を育む下総航空基地、2017年初訓練飛行 P-3C搭乗員はここから全国へ

海自の「目」、運用は11人がかり

 これまでロッキード(現ロッキード・マーチン)P-3Cは、派生型(OP-3C、EP-3、UP-3C、UP-3D)含め107機あまりが海上自衛隊に調達されました。そのほとんどが川崎重工においてライセンス生産された、海上自衛隊の主力哨戒機です。北から八戸航空基地(青森県)、厚木航空基地(神奈川県)、岩国航空基地(山口県)、鹿屋航空基地(鹿児島県)、那覇航空基地(沖縄県)の5つの基地に同機が実戦配備されています。

 P-3Cの乗員は機の操縦を担当する正・副操縦士が各1名、操縦士を補佐する機上整備員が2名、作戦の立案を行い、ときに機長ともなる戦術航空士が1名、ナビゲーションを行う航法通信員が1名、水中の音で捜索する音響対潜員が2名、レーダーや赤外線といったセンサーの操作を行う非音響対潜員が1名、電子機器の整備を行なう機上電子整備員が1名、魚雷やミサイル、ソノブイを扱う武器員が1名の計11名からなり、全員がひとつのチームとなって活動します。

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P-3Cの航続時間は10時間、一度の任務における飛行時間も長い。機体後部にはトイレや休憩室があり、コーヒー保温機やお弁当を温める設備も(2017年1月6日、関 賢太郎撮影)。

 下総教育航空群は、これらP-3Cの搭乗員を養成するための部隊として、ここ下総航空基地に所在します。海上自衛隊のすべてのP-3C搭乗員は、必ず下総教育航空群において訓練を受けてから、各実戦部隊へ巣立ってゆくことになります。したがって下総教育航空群は実戦部隊ではありませんが、その責務は同等以上に重要といえるでしょう。

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