MRJ、5回延期のワケ ゼロからの再出発で国内航空産業が課せられた宿題とは

「メイドインジャパン」の、ふたつの意味

 日本における戦後の国産旅客機開発はこれまでに、日本航空機製造YS-11という前例がありますが、それ以降、半世紀にわたり同分野における進展はありませんでした。したがってMRJは、再びゼロからの出発になりました。ゆえにこれまで述べたような経験不足から生じる遅延は、ある意味で仕方のないところがあります。

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航空自衛隊は人員や貨物の輸送などを目的に、13機のYS-11を導入(写真出展:航空自衛隊)。

 三菱航空機によると、外国からのMRJへの視線は、良い意味と悪い意味ふた通りの「メイドインジャパン」として見られることが少なくないと言います。ひとつは「旅客機産業に実績のないメイドインジャパンへの不安」。そしてもうひとつは「高品質な製品に定評のあるメイドインジャパンへの期待」です。

 MRJが良い意味での「メイドインジャパン」に対する視線へ応えるには、あらゆる国のあらゆるメーカーがかつて通過してきた遅延や予算オーバーといった“産みの苦しみ”を乗り越えてゆかなくてはなりません。

 これは三菱航空機が、というよりも、日本の航空産業全体が抱える大きな宿題であると言えるでしょう。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 技術的な試行錯誤は仕方ないとしても、マネージメントの甘さも否めませんな
    意思決定の遅れ、製造工程違反、検証項目の定義漏れ、この3つはマネージメントの責任ですわ
    先回りして何かを仕込んでおく、確認しておく、問題を潰しておく、そういう積極性が感じられない
    良くも悪くもマイペース、いかにも三菱らしいとも言えるかもしらんが、そういうのを度々目にしてしまうと、
    期待してはいけないのかも知れない、期待に値しないのかも知れないと思わされてしまう

  2. 残念ながら期待はずれですね。
    某国の圧力を無視していれば、こんな事にはならなかったでしょう。
    日本衰退の象徴とも言える記事ですね。

  3. メイドインジャパン製がクリアー出来ないとか?10年経つと複合素材も進化したり、また金属も強度も上がっいますよね!配線一つ取っても価格が上がっているし、電源がコンセットからUSB→USB3.0に変更ですか?
    製造課程で担当者や責任者が変わってしまったり技術者も定年しちゃいますよ。