生まれた時点で完成形、輸送機C-130 半世紀以上の改良重ねた最新型が国内配備開始

半世紀以上前から「輸送機としての完成形」

 以上のようにC-130J-30とC-130Hはもはや別の飛行機と言ってもよいほどの進化を遂げていますが、見た目の上での違いはエンジンのプロペラブレードが4枚から6枚に増えた以外、殆どありません。それどころか1954(昭和29)年に初飛行したプロトタイプ、YC-130と比べてもそれほど大きな違いはありません。

 C-130はその登場時点において、既存の軍用輸送機の概念を一気に変えてしまうような革命的な機種でした。たとえばC-130以前に活躍していたC-47「スカイトレイン」、C-119「フライングボックスカー」といった輸送機には、胴体後部の大型カーゴドアや太い胴体は無く、大型の貨物をそのまま搭載することはできませんでした。一方C-130J-30では、UH-1やUH-60といった汎用輸送ヘリコプターさえほとんどそのまま空輸を可能とします。

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1954年に初飛行したプロトタイプ機YC-130。のちに航空・海上自衛隊を含め総生産数2500機以上、世界中すべての大陸で運用されている傑作中の傑作となった(画像:アメリカ空軍)。

 C-130は中、小型軍用輸送機として必要とされるあらゆる能力を持ち、軍用輸送機の歴史はC-130によってひとつの到達点を迎えたといっても過言ではありません。それゆえに、のちに誕生した他国の輸送機は例外なくC-130と同様の特徴を受け継いでおり、またアメリカ軍においても「C-130の後継はC-130」となっているのです。

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コメント

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1件のコメント

  1. ステルス戦術輸送機はいろんな意味で無理か・・・必ず何かが犠牲になるから(形状制約による搭載貨物の重量、寸法、積載方法、空中投下方法の制約、速度、機動力の低下、なにより生産性や整備性。)