夜行列車が東急、東京メトロ、西武線を走る 史上初 目的地は運に左右される場所(写真21枚)

「夜行列車の醍醐味(だいごみ)」を感じた三峯神社

 この列車は、到着した秩父で星空や夜明けの雲海などを楽しもうという「元町・中華街駅発の夜行列車で行く秩父絶景ツアー」の一環で走ったもの。不安なこと、それは天気です。

 横瀬駅(埼玉県横瀬町)を通過したところで車内の照明が通常に戻ると、まもなく終点の西武秩父駅。同駅から貸切バスに乗り換えて、標高1102mの三峯神社に移動、星空と雲海を鑑賞する予定……なのですが、西武秩父駅は霧雨模様。ただ、天気予報は回復方向で、時刻は午前1時半。まだ星空鑑賞まで1時間半、夜明けの雲海まで3時間あります。

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暗闇の終点、西武秩父駅に到着。
西武秩父駅で貸切バスに乗り換える。
三峯神社の駐車場にはビクセンの天体望遠鏡が用意されていた。

 しかし、それから1時間少々で到着した「スターパーティー(星空鑑賞会)」を行う予定の三峯神社駐車場は小雨が降っており、残念ながら星が見える状況ではありません。

 とはいえ、まだ夜明けまでは1時間半あります。天気は、回復していく方向です。予報では。

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雲海が見える……はずだった霧の三峯神社遥拝殿(2017年5月27日、恵 知仁撮影)。

 日が差し込むことなく、明るくなっていく風景。広がる白い世界……。自然のことですから、仕方がありません。

 幸い、雨は傘がなくてもなんとかなる程度。早朝の、肺を洗うような瑞々しい山の空気、幽玄な風景、これはこれで情緒があります。「夜に移動し、朝一番から楽しめる」夜行列車だからこそ味わえる、旅のひとときです。その後、ツアー参加者たちは朝食をとったのち、祈祷を受け、霧にかすむ三峯神社をあとにしました。

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三峯神社の鳥居は珍しい三ツ鳥居。
1691(元禄4)年に建立された三峯神社の随身門。
朝食「秩父わらじ味噌豚丼」。秩父武甲山の石灰を使った発熱式。

 ちなみに、三峯神社と西武鉄道の共同調査によると、昨年(2016年)5月の三峯神社における雲海の発生率は54.8%。2016年1年間では34.2%だったそうです。

【了】

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コメント

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8件のコメント

  1. いずれも大晦日に終夜運転の実績がある路線なのに初めての夜行列車とはライターの見識が疑わしい

    • その考え方で行くと山手線も夜行列車ということになりますね。
      頭大丈夫?って言われないように気を付けてくださいね。

    • あんたこそ頭大丈夫?

    • 夜中に都心から成田に行くバスも夜行バスと呼ぶのだろうか?

  2. いいかもしれない!かなり昔だけど東京から最終を兼てた当時の大垣行で弁天島近辺まで寝過ごして、そのまま勢いで乗り継いで尾道まで行ったことありますよ、それで当時驚いたのは全ての大垣から西の列車が湘南カラーだった事とグリーン車が無かった事!あの頃からしたら電車も進化しましたし今回のようなイベントも増えました、

  3. 飯能駅で進行方向変わったけど、乗客みんなシートの方向変えたのかを知りたい気がする。

  4. ただの終電の時間帯なんだよな。

  5. この記事を読んでとても驚いたが、同時にひどくがっかりもしてしまった。
    というのも、かつて秩父の終点三峰口まで乗り入れてたのは東武鉄道のほうだったからだ。
    当時からしてみたら、あの東武東上線が副都心線はおろか東横線、はたまた中華街まで直通運転することになるとは、誰も予測してなかっただろう。
    もし寄居からの乗り入れが残ってたら、東上線から寄居~西武秩父を経由して飯能へ、外秩父をぐるっと一周して、反対方向になって戻ってくることさえ出来ただろう。
    これこそ夜行列車にふさわしいではないか。