H100形電気式ディーゼルカー導入へ キハ40形を置き換え JR北海道

車内は「北海道の自然を表現」した配色に

 JR北海道は電気式ディーゼルカーの特徴として、「推進軸や自在継手など落失が懸念される部品がなくなり走行時や保守時の安全性が向上」「変速機など複雑で故障しやすい機器もなくなり信頼性が向上」「電車と共通の機器を採用するためメンテナンス時の負担軽減とコスト低減が図れること」を挙げています。

 2軸駆動とすることやモーターの適切な制御と増粘着剤噴射装置の搭載により、急勾配での落ち葉や積雪による空転を抑制。ブレーキ制御方式の変更や、自動車のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)にあたる滑走再粘着制御機能の追加により、シカの出現などによる急ブレーキ時の車輪踏面傷の発生を抑制します。

 外観は「シャープでエッジ感のある」(JR北海道)先頭形状、警戒色を強調した黒と黄の前面配色、「自然との調和を表現した」(同)緑と白の帯とされます。

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H100形電気式ディーゼルカー「DECMO」の車内イメージ。北海道の自然を表現した緑や青などの配色が検討されている(画像:JR北海道)。

 車内は両運転台とし1両での運行も可能に。乗降用ドアは片側2か所ずつで、その近くは窓を背にしたロングシート、中央部は2+1列の固定式クロスシートが配置されます。配色は北海道の自然を表現した緑や青などの色が使われる予定です。

 車いすスペースや、車いす対応の洋式トイレも設置。また、トイレにはおむつ交換台も設けられます。このほか、液晶の運賃表示器やLED照明、冷房なども導入されます。定員は99人(座席36人)です。

 JR北海道はキハ40形を中心に、車齢30年を超えた普通列車用のディーゼルカーを166両所有しています。H100形はその置き換え用として導入される計画です。

 量産先行車は2018年2月の落成後、2019年3月まで走行試験などを行います。

【了】

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コメント

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11件のコメント

  1. 消耗部品等の維持整備は本当の本当に大丈夫なんでしょうね。JR東日本みたいに無意味な多車種少数生産とか納期や価格に不安がある外国製部品では支えきれないんですからね。ただでさえも線路補修費用すら捻出できないJR北海道の車両には、安くて修理しやすく壊れにくい、あえて危険な表現をすれば旧ソ連製ライフル銃並の頑丈さと確実さが必要なんですからね。

    • あのね、皆勤賞で出陣してくれるのはいいんだけど、少し微調整効かせて角度を変えて見てみたら?せっかく的を獲てももったいないぞ、

  2. バッテリーを無くす=踏面ブレーキだけって事ね。なるほど。長距離の勾配区間が無い路線のみの運用前提なら問題無いですね。ブレーキ力を強化したい場合には従台車にディスクブレーキを追設して、電気ブレーキを付加したい場合には屋根上に抵抗器を設置する前提でしょうし、燃料・電力使用量が増えても、ブレーキ用抵抗器の利用・保守費用も含めて、バッテリーの利用・保守費用よりかは安くつくとの計算もあるのでしょう。

  3. 最近の北海道を考えると、冷房が付くというのは結構ありがたいかも知れないね
    そうか、トイレも今までは無かったんだ・・・
    大都市圏と違って、途中下車で駅のトイレ使ったら後続列車が○時間後とかだと困るもんねえ

  4. 他の人も仰っている様に、夏は35℃、冬は-30℃ほどと温度差65℃の環境で、電子部品の耐久性はどの位有るのだろう?

    特に大寒波襲来して立ち往生した際に、車内の乗客の命に関わる様な事は無い事をお願いしたい。
    (その為にも2シーズン確認する試験は厳密にお願いします。)

  5. ローカル線こそ、転換クロスやトイレが必要だと思う。
    JR東日本みたいに地方路線でもトイレなし、ロングシートは論外だからトイレ付き、転換クロスは地方のローカル線では最低条件にした方が良い。
    現に大阪や名古屋でも導入しているし、ローカル線は大阪や名古屋より乗客が少ないから問題無いはず?

    • 路線バス同様通学時間帯だけ混み合う状況でしょうから、むやみに転換クロス化して車両数を増備する羽目になるよりはロングシート化して立席定員を増やした方が(短編成でも詰め込める分)経営的には良いでしょうね。
      普段使う側としても下手に相席にされるよりはロングシートの方がよかったりしますし。旅情もへったくれもないといわれればそれまでですが、その路線をだれ向けにするかによって答えは変わるでしょうね。

      ちなみにトイレもないというのは久留里線でしょうか。あそこは別の事情が絡んでいる気がしますが…

    • 駅間距離や列車本数からトイレは必須としても、転換クロスは必須か? 座席数増も車窓の眺めやすさも、毎日利用する多くない乗客には重要ではない。
      一生に一度しか乗らない旅行客や廃線が決まってから突如増えるテツの方々の類いの為の設備より、沿線利用者の為に不要なコストを抑えて路線維持することの方が重要に決まってる。

      ダイヤ改善や速度向上、沿線の集客力アップ等で利用客が増え、サービス向上ができる余裕ができた際には、接客設備も改善してもらえれば良いのでは。

  6. JR北海道の列車もJR東日本と共通化していくみたいだね。電気モーター駆動だから乗り心地も良くなるかもしれない。座席は、セミクロスシートになるみたいだからクロスシートに座るほうが旅気分にもなれるように作られるから鉄道旅行で乗ってみたいです。2018年ぐらいに導入されるから鉄道旅行で北海道に行っている時に見て、乗ってみたい列車です。また寒冷地仕様になるからドアは半自動ドアになると思う。デッキ付きの車両だと普通列車って感じがしないのでデッキなしの片開きドアの押しボタン式の半自動ドアになるほうが普通列車と快速列車には、向いている気がします。

  7. 車椅子スペースが有るのに、乗降口にステップとは...。エンジン等が床下にかさばるのだろうけど、なんとか床を低くできないものか。車椅子だけでなく、高齢者等の為にも。
    北海道庁がホームのかさ上げしてくれたら、段差埋めれるでしょうけど。隣のJREastが技術は協力するのだから、現地の行政も施設などは何かしようよ。

    • 余談。愛称について。

      「withOUT Motor」な「Electric Car」って有りますか? 「DEC(デック?)」では「木偶の坊」を連想させるから「MO」付けたのかな? 「Diesel Electric Viecle」でも太目の人から嫌われそうだし、「DCMO」では読みにくいという事だったのかな?

      最悪な「MOTDV」(T:Tracted(駆動される)辺りで)にしないで良かったね。