道路舗装でクールダウン? 対ヒートアイランド特殊舗装、渋谷スクランブル交差点にも

近年加速する都市部のヒートアイランド現象に対し、これを緩和するといわれる道路舗装があるといいます。どのようなものでしょうか。

熱エネルギーの吸収量を減少させる舗装

 都市部の気温が郊外などに比べ高温になる「ヒートアイランド現象」が問題視されています。東京都 環境局 地球環境エネルギー部によると、過去100年間で日本全体の平均気温は約1.2度の上昇だったのに対し、東京の平均気温は約3度上昇しているとのこと。その背景には、緑地が減少し、アスファルトやコンクリートに覆われた地面が増大したことで、温まりやすく冷めにくい環境となったことがあるといわれています。

 このような状況を緩和する手段として、「遮熱性舗装」「保水性舗装」という舗装技術があるそうです。その詳細について、道路の施工と舗装を手掛ける世紀東急工業(東京都港区)に聞きました。

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遮熱性舗装の施工例、渋谷駅前スクランブル交差点。交差点内の灰色の部分が施工部分(画像:世紀東急工業)。

――「遮熱性舗装」とは、どのようなものなのでしょうか?

 遮熱性舗装は、「遮熱性塗料」と呼ばれる特殊な塗料を舗装体表面に塗布することにより、太陽光のなかの近赤外線を反射し、熱エネルギーの吸収量を一般的な舗装よりも減少させることで、夏季の舗装体の温度上昇を抑制し、蓄熱量を低減させることができます。

――舗装を行うことで、道路に対してどのような効果があるのでしょうか?

 一般のアスファルト舗装(密粒度アスファルト舗装)に比べて、夏季における昼間のアスファルト舗装の路面温度を10度以上低減できます。

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実際の舗装路とサーモグラフィー画像との比較。各画像内の左半分が遮熱性舗装を行っている路面(画像:世紀東急工業)。

――主にどのようなところへ舗装されるのでしょうか?

 車道や歩道をはじめ、駐車場、広場、園路などのあらゆる路面に適用が可能です。

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コメント

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4件のコメント

  1. 大した技術だ!水の溜まらないアスファルトなんぞは短い区間でも助かるし、こう言うのを技術の進化と言うのだろうね、

  2. 何をどう考えても費用対効果が見えない。アスファルトも特殊なものを使う必要があるし、その後の特殊処理にも時間がかかる(工期も施工時間もかかる)。まして耐久性が飛躍的に増す訳でもあるまい。まあ、それでも歩道でよく使われているインターロック(ようはタイル舗装)よりは施工性(地面をならして、土を固めて、場合によってはコンクリート流して、砂を敷いて、インターロック加工して・・・呆れるほど手間暇かかります)、施工中の安全性(施工時間外の養生もいい加減な仮養生だけです)、施工期間、耐久性(下手すれば半年もしないうちに致命的な段差が出来る)などはマシだが。実際以前別府駅前では一時的に大型バスも通る車道をインターロック舗装としたが、数年で普通のアスファルト舗装に戻したくらいだから。

  3. オリンピックのマラソンコースは、この舗装にしておかないとやばいかも。

  4. こう言う事に力を入れるなら梅田、横浜駅、名古屋駅、川崎駅、札幌〜大通駅見たいに地下街を重視した方がエコになる。
    渋谷は地下深く掘ってる癖に地下の移動範囲が狭すぎる。
    上記の駅や池袋、東京駅、静岡駅、姫路駅、京都駅あたりは地下街を充実させて地上に歩行者を通さないようにしている。
    ペストリアンデッキは無駄だから地下で極力移動できる街こそ都市には必要だと思います。
    そうなると渋谷駅は仙台駅並みになる。