日本初、地下鉄車内でBGM放送 音が小さい? 耳障り? 実際に体験
東京メトロ日比谷線で、日中の一部列車内においてBGMを放送する試行運用が始まりました。音量も「耳障りにならない程度」に調整したというこのBGM列車、どのような目的があるのでしょうか。実際に体験してきました。
きっかけは「誤操作」
東京メトロは2018年1月29日(月)、日比谷線の一部列車内でBGMを放送する試行運用を開始しました。
東京メトロによると、通勤用車両による営業列車内でBGMを放送するのは、国内初とのこと(特急列車などでは実績あり)。日比谷線の新型車両13000系電車で運行する、日中の一部列車において実施します。このうち、「13101編成」など奇数番号の編成では、ショパンの「ノクターン」などクラシック音楽を3曲(合計約13分)、「13102編成」など偶数番号の編成では、交通関連施設で使用される環境音なども制作しているMitsuhiroさんが作曲したヒーリング音楽を3曲(合計約20分)、それぞれ繰り返し流します。
「13000系電車には高音質の放送用スピーカーを備えており、もともと、イベント列車の運行や、車両点検時のスピーカー試験用としてBGM機能を導入していました。2017年7月に、営業列車で誤ってBGMを流したまま走ったところ、一部のお客様から好意的なご意見をいただいたことから、快適な車内をご提供する手段として試験的に導入しました」(東京メトロ広報部)
BGMは、通常の車内放送と比べ8割ほどの音量で放送するとのこと。車内放送と同レベルだと、大きすぎると判断したそうです。
「音が小さすぎる、というご意見もあろうかと思いますが、大きすぎるのもそれはそれで耳障りでは、と考えています」(東京メトロ 車両企画課 課長補佐 下村雄祐さん)
BGMを流す列車に乗り合わせた20代男性は、「違和感はなかったです。車内が暑くなってきたなと思っていたところ、ゆったりとした音楽で気がまぎれました」と話します。
東京メトロでも、BGM放送は賛否が分かれると認識しているとのこと。「13000系ではこういうこともできる、ということをいったんお客様にお示しし、ご意見を真摯に受け止め、今後のあり方を検討します」(下村さん)と話します。なお、荒天などの理由でダイヤ乱れが発生した場合はBGMを流さない可能性もあるそうです。
この13000系におけるBGMの試行運用は、当面のあいだ継続されます。なお、日比谷線は東武スカイツリーラインと直通運転を行っていますが、BGMの放送は日比谷線内(北千住~中目黒)を走る列車でのみ実施されます。
【了】
東武70000系の増備車に波及するかどうか。