政府、F2後継選定方針先送りも=新中期防、自民からは共同開発論

「わが国は、小型ジェット旅客機すら満足に飛ばせないのに、戦闘機開発などできるのか」との声も。

 政府が年内にまとめる次期中期防衛力整備計画(2019~23年度)では、航空自衛隊F2戦闘機の後継機が焦点の一つだ。自民党には国内の防衛産業を維持するため、国際共同開発を求める意見があるほか、海外を含む既存機の改修などの選択肢が想定される。ただ、いずれも開発費用に関する情報が十分ではないことなどから、政府内では方針決定の先送り論が強まっている。

 13年度に策定された現行の中期防は「国際共同開発の可能性も含め、F2退役時期までに必要な措置を講ずる」と明記。F2戦闘機は、30年ごろから順次退役予定とされ、後継機の選定方針には自主開発、国際共同開発、米国製既存戦闘機の改良の三つの選択肢があった。このうち、国内の防衛産業が求めていた自主開発について、政府は巨額の開発費用を理由に断念した。

 F2は1988年から開発費3274億円を掛けて日米で共同開発。対艦、対空能力を備えている。

 これまでに、防衛省に対しF2後継機に関する提案をしたのは、米ロッキード・マーチン社のみにとどまっている。このため、開発コストや後継機に求める性能などを現時点で判断するのは難しいとの見方もある。

 防衛省幹部は「軍事大国の米国ですら、次世代戦闘機の具体的な姿を描き切れていない」と指摘。政府内では、F2後継機の選定方針について、先送りはやむを得ないとの考えが出ている。

 一方、自民党の防衛相経験者らは月内にも、国際共同開発を軸とする提言をまとめる方針だ。既存機の改良では技術継承や人材育成が途絶え、国内防衛産業が窮地に追い込まれるとの判断からだ。

 ただ、国際共同開発に関しても、開発コストや日本の技術水準などから難しいとの意見がある。自民党内からは「わが国は、小型ジェット旅客機すら満足に飛ばせないのに、戦闘機開発などできるのか」との声も漏れている。

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