運転手が突然意識失う…バスで相次ぐ「健康起因事故」防げるのか 「万が一」にどう対応

バスの運転手が意識を運転中に失う事例が増えています。大きな被害につながりかねないことから、国も運転手の健康管理について対策してきましたが、それだけでは防ぎきれないこの問題。万が一の事故に備えた車両側の対策も進んでいます。

事業者間でも意識が高まる「健康起因事故」

 2018年11月15日(木)、三重県の紀勢道を走っていた観光バスの運転手が突然意識を失い、それに気づいた乗客らがハンドルを握り、バスを側壁にぶつけて停めるという事故が発生しました。

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バスの運転手が意識を運転中に失う事例が相次いでいる。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 同様の事例は、紀勢道における事故の2週間前には千葉県、10月には神奈川県、6月には富山県と、相次いで発生しています。バスなどの道路運送事業者は、運転手が疾病などで運転を継続できなくなった事象について国に報告する規則がありますが、国土交通省自動車局安全政策課によると報告件数は増加傾向にあり、2016年には300件を突破。うち3割で物損事故や人身事故につながっているといいます。

 国土交通省の資料によると、このような「健康起因事故」を起こした運転手約1000人の疾病別内訳では、くも膜下出血などの脳疾患が16%、心筋梗塞や心不全などの心臓疾患が14%、さらに消化器系疾患6%、血管疾患4%、呼吸器系疾患5%と続きます。このため、同省では運転手の健康管理マニュアルや、脳血管疾患の対策ガイドライン、突然の意識障害の原因となる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対策マニュアルなどを策定し、「健康起因事故」の防止に向けて事業者や運転手が知っておくべき内容や、取り組むべき対策を示してきたそうです。

 なお安全政策課の担当者によると、「事故を起こすのは必ずしも高齢ドライバーだけではありません」といいます。

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コメント

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1件のコメント

  1. 独ダイムラーは「レーンキープアシスト」を搭載した商用車を来年発売する予定
    それに引き換え国内の商用車メーカーはどうも動きが鈍い
    乗用車では運転支援システムの開発は外国に先んじているのに…
    昨日、やっと同じ機能を持ったトラックの公道テストが始まりましたが
    日本特有の悪しき「根性論」から早く脱出できるといいですね