北朝鮮、仮想通貨630億円盗む=日本にもサイバー攻撃-安保理年次報告

 【ニューヨーク時事】対北朝鮮制裁決議の履行状況を調べる国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの年次報告書が12日、正式に公表された。報告書は北朝鮮の核・ミサイル開発は「無傷のままだ」と指摘。核・ミサイル製造施設の攻撃に備え、工場や非軍事施設を繰り返し利用していることや、日本を含む仮想通貨を標的とするサイバー攻撃を活発化させ、約630億円を盗んだと報告した。

 報告書は北朝鮮が2016年以降、「制裁を逃れるためサイバー攻撃の規模を拡大し、(技術も)高度化している」と指摘。「サイバー専門の軍事部門が体制の収入捻出の任務を課されている」という加盟国情報もあった。

 また、ロシアのサイバーセキュリティー会社「Group-IB」の調査に基づき、17年1月~18年9月に、北朝鮮政府が運営するハッカー集団「ラザルス」による仮想通貨へのサイバー攻撃が少なくとも5回あり、計5億7100万ドル(約630億円)が盗まれたと指摘。昨年1月の日本の仮想通貨交換業者コインチェックに対するサイバー攻撃も含まれた。 

 16年のバングラデシュ中央銀行の不正送金事件のほか、昨年のインドやチリの金融機関へのサイバー攻撃も北朝鮮との関連を指摘。インドの事例では、28カ国のATMで同時に1万4000回以上引き出しが行われ、約1350万ドルの被害が出ている。

 このほか、洋上での荷物の積み替え「瀬取り」による石炭や石油精製品の密輸が「大幅に増加している」と分析。また、18年9月の南北首脳会談時の映像で、北朝鮮のナンバープレートが付いたトヨタの高級車レクサスが映っていたことも指摘した。トヨタはパネルに安保理決議を履行しているとした上で、「裏ルートや、個人間の取引で(北朝鮮に)入ったと臆測することしかできない」と回答した。北朝鮮へのぜいたく品輸出は決議で禁止されている。

【了】

最新記事

コメント