原因究明、長期化の様相=防衛省、過去の機体不具合調査-F35墜落1週間

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墜落した航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35A(航空自衛隊提供)

 航空自衛隊三沢基地(青森県)の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが墜落した事故から16日で1週間。行方不明の隊員と機体の懸命の捜索が続いている。深海に沈んだ機体の場所の特定には時間がかかり、原因究明は長期化する見通しだ。防衛省は航跡データや墜落前の交信を分析するとともに、事故機が過去2回、不具合で緊急着陸したこととの関連も調べている。

 空自によると、事故機は4月9日午後6時59分に三沢基地を離陸。青森県沖で2対2に分かれ戦闘機同士の訓練を行う予定だった。午後7時26分ごろ「ノック・イット・オフ(訓練を中止する)」と通信。その1分後にレーダーから消失しており、訓練開始間もなく異常が発生したことになる。午後8時50分に基地に戻る予定だった。天候は悪くなかったという。

 訓練中は、レーダーサイトの情報が集約される地上の防空指令所が無線で戦闘機と交信している。やりとりや、レーダーの航跡は原因究明の重要な手掛かりになるが、「中止」の通信以外に特異な交信は確認されていないという。

 事故機がレーダーから消えた海域は水深1500メートル。岩屋毅防衛相は12日の記者会見で、引き揚げについて「過去のサルベージの実績からすれば可能だが、状況、状態を確認してからでないとはっきりしたことは言えない」としている。 

 海自は潜水艦救難艦「ちよだ」を投入し、水中カメラで捜索している。機体が高速で海面にたたき付けられ、大きく損壊していれば、広範囲に拡散している可能性もある。

 事故機は米国から部品を調達し、三菱重工業で組み立てられた初号機。完成後の2017年、米国に機体を移送し、米国防総省の機関で、ロッキードマーチン社で製造された機体と同等の品質があるか検査を受けており、米政府のお墨付きだった。

 しかし、三沢基地配備後の18年8月、機体の航法機材の不具合により、千歳基地(北海道)に緊急着陸。三沢配備前の17年にも、試験飛行中に冷却系統の不具合で愛知県営名古屋空港に緊急着陸していた。

【了】

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