羽田空港アクセス線、区間ごとの建設方式が明らかに 東京都が環境調査の計画書を公表

JR東日本が計画している羽田空港アクセス線の環境アセス調査計画書を東京都が公表。建設ルートのほか、地下トンネルや高架橋など区間ごとの建設方式、運転本数などの計画が明らかになりました。着工に向けた動きが本格化しています。

東海道線との接続部分は単線に

 東京都環境局は2019年5月30日(木)、JR東日本が提出した「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」の環境影響評価(環境アセス)調査計画書を公表しました。着工に向けた手続きが本格化します。

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東京貨物ターミナル駅付近を通る大汐線の線路(左)と、りんかい線の車両基地(右)。羽田空港アクセス線の列車はここを通る(2011年11月、草町義和撮影)。

 羽田空港アクセス線は、東京都心と羽田空港を直通するJR線の計画です。東京貨物ターミナル駅(東京都品川区)から羽田空港まで新線を建設し、東京都心~東京貨物ターミナル間は既存の線路を活用する3ルートが考えられています。

 JR東日本は2019年5月20日(月)、3ルートのうち東京駅方面からの「東山手ルート」と新線建設区間の環境アセス調査計画書を、東京都に提出。同線の整備が周辺に与える影響を調査します。

 調査計画書によると、事業区間は約12.4km。起点は田町駅(東京都港区)の北側(東京駅寄り)で、東海道線の上り線と下り線のあいだに単線の線路を設置して東海道線と接続し、高崎線・宇都宮線(上野東京ライン)方面からも直通できるようにします。

 この線路を敷くスペースを確保するため、田町駅北側にある山手線の引き上げ線を撤去。空いたスペースを使って山手線の外回りと京浜東北線の南行、東海道線の上りの線路3本を西側へ移設します。

 田町駅付近からは、単線の地下トンネルを整備して東海道新幹線などの線路をくぐり、高浜西運河付近で休止中の東海道本線貨物支線(大汐線)に接続。東京貨物ターミナル駅まで複線高架橋の大汐線を改修します。東京貨物ターミナル駅も、踏切がある部分を高架化したり、車両基地や保守基地を整備したりするなどの改良が行われます。

 ここから羽田空港までは、複線の地下トンネルを整備する新線区間。終点の羽田空港新駅(仮称)は、国内線の第一旅客ターミナルビルと第二旅客ターミナルビルのあいだの地下に建設され、ホームひとつと2本の線路が設置されます。

 運転計画では、15両編成の列車(1両の長さは20m)に対応。運転本数は1時間8本、1日144本とされています。

 東京都環境局は2019年5月30日(木)から、東京都環境局などで調査計画書の縦覧を開始。縦覧期間は6月10日(月)までの予定です。

【了】

【画像】地下、地上、高架…羽田空港までの建設方式

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コメント

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2件のコメント

  1. こんな事をする前にやる事が有るだろ?>JR東
    遅延の嵐になりそうだから、京急は今のうちに空港線は
    振り替え輸送の対象外にしておいた方が良いかも?

  2. 図面の転載について、事業者であるJR東日本の許諾は得ていますか?
    著作権者は事業者であり、東京都ではありません。
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