ロシア製ミサイル、何が問題?=米最新鋭機の情報流出も-ニュースを探るQ&A

 トルコがロシアから地対空ミサイルシステムS400を購入し、その一部がトルコに搬入された。トルコと北大西洋条約機構(NATO)を通じて同盟関係にある米国は導入に強く反発し、対トルコ制裁を準備している。何が問題なのか。

 -S400って何?

 ロシアでは最新鋭と位置付けられている地対空ミサイルのシステムだ。旧型のS300の射程や同時追尾能力などを改良したもので、航空機のみならず弾道ミサイルを迎撃することも可能。性能は、米国の迎撃ミサイル「パトリオット」に匹敵するとされ、ロシアは外国への売り込みを活発化させている。

 -トルコに必要なの?

 不安定な中東情勢が背景にある。隣国のシリアでは内戦が長期化し、解決への見通しは立たないままだ。トルコが差し迫った空爆の危機にさらされているわけではないものの、トルコ政府は「国家の安全保障上、対空防衛システムの強化は不可欠」という立場だ。

 -なぜ米国は反発しているの。

 トルコは一方で、米最新鋭ステルス戦闘機F35の共同開発プログラムに参加し、F35の調達計画も進めている。米国防総省はトルコがS400とF35を同時に運用することで、F35の機密情報がS400のレーダー機能を通じてロシア側に伝わる事態を憂慮している。トルコがS400を調達すれば、トルコへのF35の引き渡しを停止する構えだ。

 -パトリオットを買えばよかったのでは。

 実はトルコは米国とオバマ政権時代にパトリオットの調達に向けて交渉を行っていた。しかし、技術移転の問題や価格面などで折り合いが付かず、不調に終わった経緯がある。トランプ米大統領は6月下旬の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の際、トルコはオバマ政権下で「公平に扱われなかった」と発言した。

 -そういう事情なら、米国は制裁を発動しないのでは。

 米国では2017年8月、ロシアへの制裁を強化する法律が成立した。その中で、ロシアと軍事分野で「重大な取引」を行った者に対して制裁を科すことを定めており、制裁を実行に移さない理由付けは困難だ。一方、トルコのエルドアン大統領はF35開発をめぐり、トルコが既に多額の資金を拠出していることから、現時点で米国が引き渡しを拒否すれば「(金だけ取る)泥棒だ」と強調。制裁はあり得ないという認識を示している。(エルサレム時事)

【了】

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