月・火星探査へ国際協力主導=日本の技術貢献-星出宇宙飛行士、20年に船長就任

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インタビューに答える宇宙飛行士の星出彰彦さん=26日、米ニューヨーク

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士で、2020年に国際宇宙ステーション(ISS)の船長に就任する星出彰彦さん(50)は26日、ニューヨーク市内で時事通信のインタビューに応じ、日本の宇宙技術を月や火星探査に向けた国際協力に生かすべきだと語った。一問一答は以下の通り。

 -アポロ11号の月面着陸から50年。米国でも月探査回帰の動きが出ているが日本はどうか。

 個人的には非常に楽しみにしている。ISSなど低軌道レベルの活動のノウハウは蓄積されており、民間の参入が期待されている。国際協力で何ができるかを考えれば、月・火星探査。これまで培ってきた日本の宇宙技術が貢献できればいいと思っている。日本は宇宙先進国として、分野によっては宇宙探査を主導する時代に入ったと考えている。

 -日本のどのような技術が貢献できるのか。

 無人補給機「こうのとり」の輸送技術、これから行う予定の月にピンポイントで着陸する技術など。宇宙実験棟「きぼう」での実績・経験もあり、国際的に信頼されている。

 -日本にとって月探査の重要性は。

 大量の水が極域にあると想定されている。探査の過程で月の誕生について知ることができれば、地球誕生に関しても新しい発見があるのではないか。そういった重要性があると思っている。

 -20年に日本人2人目のISS船長に就任するが抱負は。

 非常に光栄に思っている。宇宙飛行士としての力だけでなく、日本の技術力、信頼性が評価されてのことだと思っており、その期待にしっかり応えられるよう任務を完遂したい。船長としてやはり、全員を安全に帰還させるのが重要。すべての作業を地上のチームと協力して、しっかりとやっていきたい。

 -米ロ対立が深まっているがISSの任務に支障はないか。

 クリミア問題で危機が強まった際も、ISSの協力態勢は維持した。当時、搭乗していた若田光一飛行士は「ISSは運命共同体なので米ロ飛行士はお互いに協力していた」と話していたので、支障は出ないと思う。スペースシャトルの事故でシャトルがしばらく飛ばなかった時、ロシアのおかげでISS活動を継続できた。ロシアが非常に重要なパートナーであるのは間違いない。

 ◇星出彰彦氏略歴

 星出彰彦氏(ほしで・あきひこ) 1968年東京都生まれ。2001年宇宙飛行士として認定。08年スペースシャトル「ディスカバリー号」ミッションに参加し、日本実験棟「きぼう」船内実験室を国際宇宙ステーション(ISS)に設置。12年にはフライトエンジニアとして、ISSに124日間滞在した。20年5月ごろから約半年間長期滞在予定で、同年9月ごろから日本人2人目のISS船長として指揮を執る。(ニューヨーク時事)

【了】

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